野生のヤクザと出られないお嬢

緋色 刹那

「かえかえ〜! 皆さんどうも、おはこんばんちわー。オカルト系配信者の戸隠とがくしカエデでーす」


「……ッス」


「ちょっと、てっちゃん! ちゃんと自己紹介して! 今日の動画の再生数が伸びたら、今度こそ出られるかもしれないんだから!」


「チッ。しゃあねぇな……」


「ほい、もう一回!」


「あー……荒屍山あらしやま鉄平てっぺいだ。よろしく」


「さてさて、今日ねらう怪異はぁ……?」


 髪をピンクと紫に染めた高校生くらいの少女と、角刈りスーツの強面の男がスマホを自撮り棒に取り付け、配信している。


 その様子を見つめる、人ならざる無数の影。「怪異」と呼ばれる彼らは、「怪異」をネタとして狙う二人をジッと見ていた。


 人が怪異を求めるとき、怪異もまた人を求める。


 あるときは食糧。

 あるときは暇つぶしの玩具。

 あるときは友人として。


 そして、気まぐれに……何かを奪い、何かを与える。


 これは「怪異」によって引き合わされた、異色のコンビの物語。

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