第20話 つきまとい
やばいんだよ、ほんと。婚約者に別れを切り出されててさ。
え? 違うって。そんな人生相談的なのをあんたにしようとはおもってないよ。
俺、いまのカノジョとは3年ぐらい付き合ってんの。もう、会社とかは周知でさ。お互いの親とも公認。
だから誰も俺に声かけたりしてこないのにさ。
派遣で来た女の子が、妙に俺になついて……。
同僚からそれとなく「あいつ、婚約者いるから」って言ってもらったんだけど、それでもしつこくて……。
手作りの菓子とかくれるんだけど、クッキーをぱきって割ったら、中から長い髪の毛出てきてさ。それ以降、全部捨ててる。っていうか、拒否しても、勝手にカバンとかに入れるんだよ。
だんだんさ、髪の毛も家に侵入して来て……。
もう侵入だよ!
フローリングに落ちてたり、排水口つまったり……。
彼女も最初は浮気を疑ったんだけど、無人カメラを設置して。その画像を見せたら納得してくれた。
カメラ?
……警察にも見せたけど、「これは無理」って言われた。
最近じゃ、彼女につきまといはじめてさ。
え? 本体じゃないよ。本体だったら、とっつかまえればいいんだから。
髪の毛だよ。
髪の毛がずーっとからんでくるんだよ。
部屋とか職場のパソコンのキーボードとか、外食で提供された食事とかにさ!
彼女、俺から離れたらもうこんな怖い思いしなくていいに違いないって言いだして……。
頼むよ! 祈祷とかお祓いとかしてもついてまわるんだよ、髪の毛が!
どうしたらいいんだよ!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます