第13話 ほこり
一人暮らしをはじめたときの話なんだけど。
おんなじところにほこりが溜まることに気づいたんだよ。
え? そう。ダストのほこり。ふわふわっとした。
最初はさ、エアコンとか、風の通り道なんだと思ってて。
それにあれじゃない? ゴミがひとりで溜まってくれるってラクじゃない。そこだけ、ぱぱっとほこりを取ればいんだから。
どこに集まるかって?
そうなんだよ、それそれそれ! それの話をしようと思っていたんだよ!
床下収納の上。
そう、あったんだよ、床下収納。
内見のときに不動産屋さんが見せてくれてさ。存在は知ってたけど……。特にいれるものがない、というか。え? 備蓄品とか? よくそう言われるけどさぁ。アパートごとつぶれたら、もうアウトじゃん。それに、普段見えないところに置いたら、忘れそうだし。
結局なにも入れずに生活してたんだけど。
その床下収納の上にたまるんだよ。ほこり。
ある日、友人が遊びに来て、宅飲みしてたんだけど、「これ、なんか入ってんの?」って。
入ってないって言ったのに、「嘘つけ。エロいやつ隠してんだろ」って、開けたわけ。
そしたら、悲鳴上げて。
びっくりして俺も駆け寄ったら。
骨壺、あったんだよね。
もちろんそりゃ、引っ越し直後に確認したよ? なんもなかったんだよ。
それがさ、いつの間にか骨壺あって。
名前も貼ってあんの。封印みたいに。
不動産屋に連絡したら、そっこー取りに来た。しかも、手土産準備して。
なんか慣れてる感じもしてさぁ。きっとときどき、出るんだぜ、あの骨壺。
でさ。
ほこりが集まる話。
あれさ。
呼吸してんじゃないかって、思ってんの。
骨壺の中のなにかが息を吸うから。
ほこり、集まってたんじゃないかな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます