第3話 corner

放課後の校庭は、夕陽でオレンジ色に染まっていた。

綾は花と並んで歩きながら、教室で見た書類のことを考えていた。


「ちょっと寄り道していい?」

花がふと立ち止まり、背後の校舎の方を指さした。

綾は驚いた。

「寄り道って、どこに?」

「いや、ちょっと用事。すぐ戻るから。」

花はそう言って、綺麗に笑った。

花はなかなか日傘が鞄に引っかかってるのか、カバンの中から取り出そうとしても取り出せない。

美しいのに少しドジ。

そこが花の人気の元だろう。


綾は頷き、見送る。

花は角を曲がった。


けど、閉校時間になっても、花は戻らなかった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る