中間考査の結果

…さて、あれからどうなったかを教えてまいります。

さあ、この俺の通っている桜ケ丘学園の中間考査が終了しました。本日司会を務めさせてまいりますのは、桜ケ丘学園の在校生である有村翔です。


今回の結果を発表していきましょう。

まあ俺自身は問題なかったよ?


国語:99点

数学:100点

科学:100点

社会科:100点

英語:100点


合計499点で無事に学年一位になりましたよ、入学から連続で。


「せんぱ~い、テストの結果どうでした~?」

「絹川、廊下で見かけたらすぐ話すのやめてくれ、心臓に悪いから」


廊下で結果が掲示されているので確認していたら、絹川が後ろから話しかけて来た。そういえば今回絹川めっちゃ頑張ってたイメージだが…


「…そういえば絹川はどうだったんだ?」

「わたし?気になります~?」

「…やっぱ何でもない」

「あ、聞いてくださいよ~」


絹川は話を聞いてもらえないことが分かると、立ち去ろうとする俺の後ろを追いかけてくる。全く、マジで子犬みたいだな本当に。


「私の成績、一学期と比べてみたら良くなってたんですよ!」

「良かったな〜」

「それでそれで…前回より成績良くなったので、約束通り…"してくれますよね"?」

「…オッケー、じゃあ校門前で待っててくれ」

「分かりました!」


――――――――――


とある密室の部屋で、歌っている男女。


という訳でカラオケに来ています。高身長女子の後輩ちゃんと。

うん…傍から見たらただのデートよ?カラオケ自体も始めて来たし…。カラオケなんて、どこかの機種に接待モードがあるやらとかの雑学くらいでしか聞かなかったし。


「せんぱいと来てみたかったんですよ~」

「…まさかお願い事がそれだったなんてな」

「えへへ…」


そう、実はテストで好成績を取れたら俺が一つお願いをかなえて差し上げようといったものであった。まああの勉強会(前話)の時にこそっと言われたのだが、まあ流石にご褒美があった方が勉強を頑張れそうだなと思ったため、そうしたのだ。


「せんぱいは普段どんな曲を聞くんですか?」

「普段は…尾〇豊さんとか桑〇佳祐さんとか…松〇聖子さんとか聞くかな」

「…誰ですか?」

「あ…」


この時俺は思った。女子高生からの質問に対する返答の人選を間違えたこと。

でも俺は間違ってはないと思う。だって1〇の夜とか明〇晴れるかなとか…名曲じゃん。許してよ。


「逆に絹川はどんな曲を聞くんだ?」

「私はイ〇スタで流行ってるような曲ですよ?」

「…どんな曲なんだ?」

「……もしかしてせんぱいってSNSをあまり使わないタイプですか?」

「…すまないな、流行りには疎いんだ」


さて、絹川はどのような曲を入れるのかな~?

そう思っていると、とある一曲が予約リストに入った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る