第二夜
茶色いふんわりとしたボウルカットの少女が
私を真っ直ぐ見つめていた。
「やったの貴方でしょ?」
責めるようでもなく慰めるようでも無い、ただ
事実を淡々と口にした、そんな喋り方だった。
動揺したらバレると思い私は平静を取り繕った。
「いきなりどうしたの?何の話?」
そう笑って言ったが彼女には効かなかった。
「私さ見たんだよね。
貴方があの部屋から出てくるの。
それだけならまだしも部屋に入ったらボール
ペンが床に散乱してた。
何で拾わなかったの?
拾えないくらい焦ってた、って事?」
彼女はゆっくりゆっくりと駒を進めていく。
「面倒くさかったんだよね、仕方なく無い?」
そう言って誤魔化そうとしたが彼女はさっきと
変わらず真っ直ぐに私を見つめていた。
思わず拍手を送りそうだった。
同い年だというのにこんなに堂々としていて自信がある。
これで高校生というならこの先はどうなるのだろう。
バレるわけないと思っていたのに。
こんな名探偵が近くにいたのが私の運の尽きだったようだ。
私は何もかもを諦めて、ただ一言
「ところで隠れんぼは得意?」
と笑って言ってみせた。
夢日記 たゆ @11253
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