第4話 女神石
「そうだ…あの石を棒に付けたらアンデット特効の武器とか作れんかな?」
思ったことは即実行…それが俺の精神だ。取り合えずインベントリから女神の投石を取り出すと、未だに嫌な気配が漂っていた。その力が衰えた様子は無く、未だに輝いていた。
「よし…加工するか。」
ジュウゥ~…石が俺の手を焼く。この前は触れずにインベントリに入れたから問題無かったが、やはり触れるとこうなるらしい。だが、それを乗り越えねば新たなる解法にはたどり着けん。
俺は死んだ。
「やっぱり素手で触るもんじゃ無いな。」
俺はスケルトンが纏っていたボロ布越しに石を持ち上げて棒の先端に固定する。この時固定するのには、木に巻き付いていた蔦を利用した。これで簡易的になるがアンデット特効の武器が完成した。
それからステータス半減が治り、ダンジョンの中に入ると同時にゾンビが到来する。どうやら前俺を殺した奴と同じ個体なのだろう。奴が持っている棒からもこの前の個体だと言う事が伺い知れる。
「アアァア~」
「甘い」
ゾンビが棒を天高く振り上げ、そのまま振り下ろそうとした瞬間に、俺の持つ棒で攻撃を往なして、そのまま魔力付与を込めた一撃で脳天を叩き割る。その瞬間にゾンビは酷く苦しみだした。まるで地獄の業火に焼かれているかのように…。
「アアアァアァ~」
「エッグぅ~…ちょっと罪悪感を感じるぞ~これは」
それからゾンビは苦しにながら死に、その死骸も回収する間もなく焼け落ちてしまった。こりゃあ思ったよりも強力な武器を手に入れたモノだ。取り合えず焼けこげた後に解析するか。
「〈解析〉」
名前 焼けこげた死体
品質 G
説明 神の力によって焼かれた死体…僅かに残滓が残っている
《スキル〈解析Lv1〉が〈解析Lv2〉に上昇しました》
「おっとぉ…ここにきて解析のスキルレベル上昇か…どれどれ…何が出来たんだ?」
解析 説明・対象を解析するスキル
効果・Lv1対象解析・Lv2詳細解析
「おぉ…詳細解析?まぁこんな文言は前まで無かったし順調に進化しているようだな。」
それからも解析を玉に掛けつつもゾンビを倒してくと、それを発見した。血に汚れた階段は、見る者すべてを威圧するようだった。だが、それ程度で驚くほど軟じゃない。
「さてと…第二階層にはどんな魔物が居るのかな?」
それから第二階層に足を踏み入れてみると、その場にいたのは骨人だった。いや、ローブを着て杖を付いている所から察するにスケルトン・メイジと言った感じだろうか?
「おっと…あっぶなかったぁ。そう言えばこのダンジョンでは無条件に敵対してくるんだったな。それじゃあ解析」
名前 無し
種族 スケルトン・ローメイジ
種族スキル
骨体Lv4.骨修復Lv3.魔術適正Lv2
戦闘スキル
体術Lv5.棒術Lv4.
魔力スキル
魔力感知Lv5.魔力操作Lv3.無魔術Lv1
耐性スキル
状態異常無効.闇耐性Lv1.刺突耐性Lv1.光脆弱Lv2.打撃脆弱Lv10.火炎脆弱Lv10.聖銀脆弱Lv10.回復脆弱Lv10.神聖脆弱Lv10
スケルトンが魔力で出来た弾丸を放つ。だが、それを冷静に回避しようとする物のスピードが足りずに被弾を許していしまう。それで減った体力を回復させつつも相手の観察を進める。
「ざっと見た感じじゃ、近接もそこそこ強い魔術師だな。こりゃあ厄介な敵に当たったモノだ。」
それからスケルトンの攻撃を避けつつ、一つのスキルを習得する。それは〈回避〉のスキルで、文字通り回避行動にプラス補正を掛けるスキルだった。それを信じ拙く避ける。
「今度はこっちから行くぞ。」
棒を天高く掲げる。それだけだったらさっきのゾンビの真似事だ。だが…女神の石×魔力×スピードのもたらす結果は…。
「スケルトンに対する特効だ。死ねェ」
スケルトンの頭蓋骨を打ち破ると同時に聞こえてきたのは、複数のカラカラ音…それに伴い魔力探知の範囲内の入ってきたのは数体の魔力反応…恐らくは此奴の同胞だろう。
だが、俺は対集団戦の心得は無い。それに幾ら石によってアンデットに対して特効を持っているとは言え身体能力で優る相手だ。俺は即座にスケルトンの死骸を回収して撤退する。
「さてと…スキルの詳細な解析でもしてみますか。とりあえずは…」
劣骨体 説明・劣った骨人の習得しているスキル。骨を食べることでレベルアップする
効果・魔力で骨を覆い魔術に対して微抵抗を得る
「ふ~ん…取り合えずこれまで倒した相手の骨でも食べてみるか」
それから骨人の骨を食べていくと、段々と骨が強靭になって行くのが分かる。それを感じつつスケルトン・ローメイジの骨を食べた時にそれは起こった。
「アァァ~…熱い熱い熱い…死ぬ死ぬ死ぬ」
途端に苦しみが襲ってきたのだ。それに耐えられる筈も無く。俺は死んでしまった。
「何が起きたんだ?取り合えず〈解析〉」
俺が食べていたスケルトンの骨に対して解析を施してみると、原因は完全に分かった。それは、女神の力だ。幾ら少ないとは言え、これには神の力の残滓が宿っていたのだ。それを食べたからあんな事になった。
「そう考えるのが自然か…取り合えず食ったら耐性でも付くんじゃね?」
それから女神の投石で骨人共の死骸に変えつつ、骨を食べていくと、最初よりかはマシになってきた。それでも耐性の面では変わらずにレベル10のままだった。
「まぁ、耐性と言う面では残念だったけど、神の力を摂取できたって事で…まぁ、これで大丈夫…なのか?」
————————
あとがき
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