異世界帰りの勇者の日記

JoJoROCK

プロローグ

この俺、志村玲央は席を立ち「志村玲央、異世界帰りの勇者だ!」と張りのある声で自己紹介を済ませる。


玲央の声は教室中に鳴り響くが、生徒と教師は黙り込んだかと思えば笑い出す。


「おいおい、異世界帰りの勇者ぁ〜?」


「いくらダンジョンが発言して魔法が使える世界になったからって……厨二病拗らせすぎだろ〜」


「志村君、勇者ならどうして君は我がEクラスなのかな?」


教師も生徒も誰も信じてくれない。


大体の反応は予想済みだ。


高校受験の日のテスト時に魔力測定器が俺の魔力量を性格に把握できずにステータスはほぼカンスト状態で表示されてしまったのだから。


「俺だってEクラスだけど戦闘力は3だったぜ?」


「私なんて10よ!」


マウントを取られるが無視することにした。


「ほらほら、そこまでにしてまずは……」


先生は笑いを堪えながら学校行事内容の説明をしようとした刹那、俺は「先生、俺今からダンジョン行くのでこの辺で帰ります」とスキップしながら教室を後にした。


クラスメイト達は俺が赤っ恥をかいたと思って帰ったと勘違いしているだろう。


それでいい。


俺の帰りを待ってくれる人たちがいるのだから。

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