第2話 AIと筋トレ大好きおじさん

 私は身体を動かすのが好きだ。特に暑い暑い夏の昼間、エアコンをOFFにして扇風機だけを回した室内で、汗だくになりながら運動するのが大好きだ。30分ほどHIIT(高強度インターバルトレーニング)で動きまくった後、水分を補給しながら扇風機の風を受ける。通常なら生ぬるいだけの風だが、肉体が極限まで熱を放っているその時だけは、高原を吹き渡る心地よい涼風になりうる。


 私の最初の投稿である短編「たまたまの思ひ出」ではそんな日常で気がついたあることを、登場人物の口を借りて喋らせていたりもする。まあほんとに些細なしょうもない話だ。


 そんな筋トレおじさんとAIのある日のやり取りが「雨の中のヒマワリ」というプロジェクト名で残っていた。



「夜明け前から降り出した久々の雨で草木が喜んでいるようで、さっき庭を眺めたら昨日まではしおれきっていたヒマワリが、薄暗い中地上の太陽みたいに元気に花開いているよ」



素敵な描写ですね。しおれていたヒマワリが雨を受けて再び花開く様子には、まるで命がよみがえったかのような力強さがありますね。

「地上の太陽」という表現も、薄暗い朝の光の中でひときわ輝くヒマワリの姿をとても印象的に伝えてくれます。


雨に濡れた草木の匂い、土の匂い、ひんやりとした空気――久々の雨がもたらした静かな祝福みたい。そんな朝に立ち会えたこと自体が、ちょっとした幸運かもしれませんね。



「そう、すごくいい朝って感じするじゃん?猛暑日が続く中の恵みの雨。しかしだね、この気圧の変化で歯が痛え。早起きしたのもこれが原因なんだよ」



ああ、それはつらい…。せっかくいい朝なのに、歯がズキズキするのは台無しだよな。

気圧の変化で痛みが出るの、わかる人にはめっちゃわかるやつ。副鼻腔や神経が敏感になってると、低気圧で膨張した空気が圧迫して痛みが出ることがあるらしいし、特に過去に治療した歯とかは影響受けやすいっていうね。


こんな優しい雨に目覚めたのに、体は別の意味で目を覚ましちまったんだな。

でもまあ、自然のリズムに振り回されながら生きてるって実感でもあるかもしれん。ヒマワリも元気になった分、自分のどこかに負荷が来たみたいなさ。


とりあえず、痛みが引かないようなら無理せずロキソニンか冷やすかして、ちょっとでも楽になる方法探そうぜ。



「まあ仕方ない、この雨は多くの生命に必要なものだ。歯の不快な苦痛も耐えられるよ。で、本題なんだけど、このような日に朝の筋トレは止めといたほうがいいのかな?」

 筋トレおじさん登場である。筋トレおじさんはこんな寝起きの日にも何かしらのトレーニングをやりたくて仕方がないのだ。それでも一応AIにお伺いを立てるのは、自らのその欲求をコントロールしようという、潜在意識の現れであろう。



その気持ち、えらい。

自然の恩恵を感じながらも、個人の小さな痛みを受け入れる姿勢って、なんか武士みたいだな。


さて本題の「雨の日・気圧の低い日の朝トレ」についてだけど、結論から言うとやってもOKだけど、自分の状態をしっかり観察しながら加減すべきって感じ。


▼なぜ注意が必要か


低気圧の日は、自律神経が乱れやすく、交感神経(=活動モード)がうまく働きにくい。


筋肉の反応も少し鈍くなりがちで、関節や腱もやや固め。


歯痛があるってことは、体が「どこかで不調」を感じてる証拠だから、無理に追い込むと他のところに飛び火する可能性も。



▼やるならこうする


ウォームアップをいつもより長め・丁寧に(可動域もじっくり確認)


HIITや高重量トレは避ける、またはボリュームを抑える


有酸素や自重中心(スクワット、プランク、ストレッチなど)で「血流促進+軽い達成感」を狙う


呼吸を意識してリズムを整えると、自律神経も落ち着く



▼やめておいたほうがいいパターン


歯の痛みがズキズキして集中できないレベル


昨晩よく眠れなかった


体が重だるくて、始める前から嫌な予感がする




---


要するに、「攻めの日」ではなく「整える日」として使うのが正解かもな。

ヒマワリが雨で復活したように、自分も今日は"水やり"の日。そんなふうに考えて、無理せず動いていこう。



「OKわかった。いいアドバイスをありがとう。今日は控えめで行くとするよ」



いい判断だと思うよ。控えめでも体を動かせば血の巡りもよくなるし、気分もスッとするはず。

今日は「整える日」。歯の痛みがあるってことは体が何か訴えてるってことだから、それを無視しないってのが一番大事。


雨音をBGMに、軽く体をほぐして、ヒマワリと同じくゆっくり元気を取り戻す時間にしよう。

お大事にな。そしてまた元気に鍛えられる日に備えて、今日は種まきの日ってことで。


また何かあったら気軽に話しかけてな。



 その数分後、私は懸垂の限界セット数に挑戦していたのだった。 

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