最強になりたいウサギの少年

@DKK011

第1話

村の夜


村は静まり返っていた。

聞こえるのは、松明のはぜる音と、遠くで鳴く虫の声だけ。


小さな広場の中央に、村人たちが集まっていた。

古びた木製の荷車の上には、一台の古いテレビ。

この質素な村では滅多に見られぬ代物だった。

農夫、鍛冶屋、商人、そして子どもたちまで——皆がその青白い光に照らされていた。


白い髭をたくわえた長老ハーガンが、杖を突きながら前のめりになる。

「音を上げてくれ、坊主。」

少年が素直にうなずき、つまみを回した。


映像が始まる——しかし、すぐに画面がちらつき、ザーッというノイズが響く。

人々が息をのんだその瞬間、闇の中から何かが現れた。


背の高い、やせた男。

シルクハットの影が長く伸び、長いコートが揺れている。

声は滑らかでありながら、どこか不気味な遊び心を帯びていた。


「やあ、やあ、視聴者のみなさん〜。」


村人たちは顔を見合わせた。

祈りの首飾りを握りしめる者もいれば、武器に手を伸ばす者もいた。


「私はね、みんなのテレビをハッキングしたんだ。そう——“みんな”の、ね。」


静かな村の空気に、冷たい震えが走る。


「さて、君たちは思っているだろう——“お前は誰だ”って。」


男は笑いながら杖をくるくると回し、肩にかけた。

その姿は王のようでありながら、退屈に飽きた狂気をまとっていた。


「私は——生きている中で最も強い男だ。」


一瞬、世界が止まったようだった。

パン屋の手からパンが落ち、衛兵たちは槍を構えたまま固まる。

遠くの家畜さえ鳴き声を止めた。


「そして——私は、倒されたい。」


ざわめきが起こる。

鍛冶屋の息子が拳を握りしめ、

フードをかぶった旅人が興味深げに頭を傾げ、

ハーガン長老の目には、疑念と好奇心が光った。


「最強として“最高評議会”に認められてから、もう一ヶ月だ。退屈で仕方ないんだよ。」


村人たちはささやき合う。

半信半疑の笑い、そして戦士たちの血が静かに沸き立っていく。


「私は自分の居場所を明かすつもりはない。だが、覚えておいてほしいことが一つ。」


男は画面に顔を近づけ、まるで魂の奥へ語りかけるように言った。


「私を倒した者——殺した者、あるいは降伏させた者には、莫大な報酬を与えよう。」


彼の声が夜空に響く。


「金貨一兆枚。

最強の空船。

想像を絶する神話級の武具。

そして——失われた古代魔法の巻物。

さらには……“自分の領域”を創る力だ。」


誰も言葉を発せなかった。


——そして、広場が一気に騒然となる。


「罠か!?」「頭がおかしい!」

叫ぶ商人、怯える母親。

だが、その中で、数人の目だけが輝いていた。

野心、恐れ知らず、そして——冒険者の魂。


「招待はすでに全世界に送られている。

参加するなら覚悟しておけ。“最高評議会”がお前たちを狩る。

……まあ、それも悪くないだろ?」


帽子の男は愉快そうに笑い、囁くように言った。


「では、ごきげんよう。幸運を祈るよ。」


帽子を軽く傾けた瞬間、画面は真っ黒になった。


静寂。

——そして。


「ハハハハハハハ!!」


酒場から大声が響く。

屈強な戦士が机を叩いて笑った。

「金貨一兆!? 空船だと!? 行くしかねえ!」


「これが……チャンスかもしれん。」

ローブ姿の魔導士がつぶやいた。


村は興奮と恐怖に包まれた。

震える者もいれば、胸の奥に火を灯す者もいた。

冒険の呼び声が、世界を変え始めていた。



---


ポーク島の家


小さな木の家の中、テレビの光が部屋を淡く照らしていた。

食卓には食べかけの皿、蝋燭の火がゆらゆらと揺れている。

床に座ってテレビを見ていたのは、エレオ——八歳のウサギの少年。

その隣では、古びたロッキングチェアに腰かけた老人、グーじいさんが欠伸をしていた。

かつての戦士、今は漁師。顔は岩のようにごつく、性格は嵐のように荒い。


テレビが暗転し、沈黙が落ちる。


エレオの鼻がぴくぴく動いた。

そして——


「じいちゃん!! オレ、最強になる!!」


グーがこめかみを押さえる。

「……お前、あの男の話、ひとつでも聞いてたか?」


エレオはにかっと笑う。

「聞いてたよ! 倒せば最強なんでしょ!」


バン!

グーが顔を覆って頭をかかえる。

「倒したら“最高評議会”に狙われるって言ってただろ! わかってんのか!?」


「えーと……握手してくれるの?」


「殺しに来るんだよ!!」


「ふんっ! オレ、負けねーもん!!」


——ドガッ!

拳が炸裂し、エレオはソファに吹っ飛んだ。


「いってぇ!! なんで殴るの!?」


「悪い言葉を使った罰だ。」


「……“ケツ”?」


——ドガッ!!


今度はエレオのキックがグーの顔面にヒット。

グーは鼻血をぬぐい、にやりと笑う。


「ほう……血が出たな。やるじゃねぇか。」


「だろ!? オレ、マスター・クマに鍛えられてんだ!」


「ほう? なるほどな。リス並みのパンチ力だが、まあまぁだ。」


「リスってなに?」


「……お前、脳みそ動いてんのか?」


「えっ!? オレ、脳みそあったの!?」


「…………はぁ。」


グーはため息をつきながら立ち上がる。

「もう寝るぞ。明日は島を出る。」


「えっ、もう!? せっかく来たのに!」


「仕方ねぇ。アビーがいるだろ。」


「アビーはダメ! すぐ“パンチ禁止”って言うんだもん!」


「いい子じゃねぇか。」

グーは頭をポンと叩くと、部屋に向かいながら言った。

「ほら、寝ろ。」


——ドガッ!


「いってぇぇ……なんでまた!?」


「寝ろって言ったろ。」


「……おやすみ、じいちゃん……オレ、最強になるからな。」


「寝坊すんなよ、バカウサギ。」



---


翌朝


朝日が差し込み、潮風がカーテンを揺らす。

穏やかな朝——のはずだった。


——ドガーン!!


「じいちゃーん!! 起きろぉ!! オレ、もう起きたぞ!!」


部屋の中から聞こえるのは、クジラのようないびき。

ベッドの上でグーは大の字に寝ていた。


「……よし、奥の手だ。」


エレオは構えを取り、叫ぶ。


「グランドパ・ウェイクアップ・アターック!!」


ドンッ!


「ぐああああ!! 何すんだこのガキィ!!」


「だって、全然起きないからさ!」


「まったく……お前が孫じゃなかったら海に投げてる。」



---


朝のルーティン


・歯を磨く(エレオはまた歯磨き粉を食べようとして止められる)

・朝食(パンケーキ山盛りを二口で完食)

・腕立て伏せ(「いっちょおおおおおお!!」と叫びながら1回ごとに大げさに)

・殴り合い(結果:エレオは庭まで吹っ飛ぶ)


「よし、オレは行くぞ。」

グーがバッグを担ぎ、伸びをする。


「うぅ……さみしいよ。」


「俺もだ。けど笑ってろ、ガキ。」


「うん!!」


「って、やべえ! 遅刻だぁ!!」


「ばいばーい!!」


——ヒュンッ!

グーは猛スピードで去っていった。


「……あっ! マスター・クマのとこ行くんだった!!」



---


鉄牙亭(アイアン・ファング)


エレオは森を駆け抜け、丸太を飛び越え、ロバに乗ったおじさんを倒しながら、町一番の酒場へ飛び込んだ。


「マスター・クマァァァ!! ニュース見た!?」


巨体の熊が、どっしりと椅子に座って酒を飲んでいる。

隣にはアビー、そして狐の女店主ルーシーが忙しそうに動いていた。


「見たぞ。」

クマが言う。


「じゃあ、オレ最強になる!!」


「まだ早い。」

クマが静かに言う。


アビーもうなずく。

「そうよ、エレオ! すっごく強くならなきゃだめ!」


クマが笑う。

「その通りだ。」


Eleoは胸を張り、得意げに叫んだ。

「オレは強い! あんたよりも強いんだ! 歌うことしかできないくせに!」


その瞬間、酒場の空気が凍りついた。


Kumaは飲みかけのジョッキを止めたまま固まり、一滴のビールがゆっくりとマグから落ちた。

Abbyの目がピクッと震える。


バシッ!


Eleoが反応する間もなく、Abbyは彼の耳をつかんでねじり上げた。


「もう一回言ってみな、このガキ!!」


「いっ、痛い痛い痛い!! Abby、やめろって!!」


Kumaは落ち着いたまま、ビールを一口。

「Abby、Eleoを痛めつけるな。」


Abbyはねじり続ける。

「痛めつけてない! 教育してるの!!」


Kumaはクスッと笑った。

「ふむ。」


Eleoは耳をつかまれたまま、必死にもがく。

「うわああああ!! Kuma、助けてぇ!!」


Kumaはニヤリと笑った。

「ムリだな、自業自得だ、坊主。」


酒場中が笑いに包まれた。


やがてEleoはAbbyの怒りから逃れ、痛む耳をさすりながら頬をふくらませた。

Kumaは微笑み、面白そうに弟子を見つめている。


腕を組みながらKumaが言った。

「Eleo、お前、本気で“最強”になれると思ってるのか?」


Eleoは満面の笑みで答えた。

「思ってる? ちがう! 知ってるんだ!」


Kumaは喉を鳴らして笑った。

「そうか。じゃあ今日は、その自信が本物かどうか試してやろう。」


Eleoの耳がピンと立つ。

「トレーニング?! やった!!」


Abbyは深いため息をついた。

「また始まったわね……」


そして3人は森へ向かった。



---


森の開けた場所には、酒場〈アイアンファング〉の常連たちが集まり、手にドリンクを持ちながらこれから始まる戦いを見守っていた。

木々は風に揺れ、空気には妙な緊張感が漂っている。


Kumaは群衆の前に立つ。巨体に分厚い毛並み、そして片手にはいつものビールの木製マグ。まるでこれが日常の延長かのように、ゆっくりと一口飲んだ。


数メートル離れた場所で、Eleoは跳ねるように立っていた。ワクワクが体中からあふれている。

彼のふわふわの尻尾が揺れ、長い耳がピンと伸びる。


Abbyが両手で口を囲い、大声で叫んだ。

「Eleo、頑張ってー!!」


Eleoは振り返ってニカッと笑う。

「ありがと、Abby!」

そしてKumaを指さした。

「さあ、マスター! 勝負だー!!」


Kumaはビールをくるくると回しながらため息をつく。

「まったく……お前は腹を空かせたオオカミより落ち着きがねぇな。」


Eleoは拳を鳴らす。

「話はもういい! このトレーニングで、どれだけ強くなったか見せてやる!」


群衆が静まり返る。

張りつめた空気。


そして――


「始めっ!!」と誰かが叫んだ。


Eleoが走り出す。小さな足が土を蹴り上げ、興奮気味の雄叫びを上げる。威圧感はまるでないが、気合だけは本物だ。


Kumaはというと――


あくびをして、腹をポリポリかいた。


Eleoが接近すると同時に、拳を突き出した。


ドンッ。


拳がKumaの胸に当たる。


……ぽふっ。


まるで枕を殴ったような音。


Eleoは瞬きをし、耳をピクピクさせた。見上げると、Kumaは微動だにせず、むしろ退屈そうに瞬きしている。


「……それで終わりか?」とKuma。少しがっかりしたような声だった。


Eleoは手を振りながら痛みに顔をしかめた。

「うわっ……あんた、まじで壁みたいだな!」


観客が爆笑した。


Kumaはニヤリと笑い、ついに動いた。


ドンッ!!


巨大な手がEleoの頭めがけて振り下ろされた。


「うわっ!」


Eleoは間一髪で転がり、土の上を転がりながら立ち上がる。心臓がバクバク鳴る。


「でっかいくせに速ぇ……!」


Abbyは頭を抱えた。

「みんな知ってたわよ、Eleo!」


Kumaは立ち上がり、手のほこりを払いながら言った。

「ふむ、今のは避けたな。じゃあ次はどうかな?」


Eleoの耳がピンと立つ。

「やば……!」


シュンッ。


Kumaの姿が消えた。


「ど、どこ行った!?!?」


バシッ!


Kumaの手刀がEleoの頭に軽く命中。


「いってぇぇぇぇ!!」


Eleoは顔面から地面に突っ込んだ。


観客が大爆笑。


Abbyはこめかみを押さえた。

「見てるこっちが痛いわ……」


Eleoは立ち上がり、頭を押さえながら叫ぶ。

「どんな教師が弟子をぶん殴るんだよ!?」


Kumaはまた一口ビールを飲み、言った。

「“教える”ってのはそういうもんだ。……学ぶ気はあるか?」


Eleoは歯を食いしばる。

そして再び突進。


左、右、左、右――連打。


だが全て避けられる。


Kumaは体をわずかに傾けたり下がったりしながら、一滴もビールをこぼさずにかわしていく。


「動いてすらないぞ……」誰かがつぶやいた。


Eleoは悔しさに唸る。

「避けんなよ! じいさん! 当たってみろ!!」


Kumaはニヤッと笑った。

「いいだろう。」


「……え?」


バシンッ!!


次の瞬間、Eleoは大きく吹き飛ばされた。

地面を転がり、茂みに突っ込む。


観客がどっと沸いた。


Kumaは伸びをしながら笑う。

「ふぅ、いい運動だったな。」


Abbyが慌てて茂みに駆け寄る。

「Eleo、生きてる!?」


Eleoが枝を頭に刺したまま顔を出す。

「ぜ、全然平気……全然痛くない……」


足がプルプル震えていた。


Kumaが歩み寄り、見下ろす。

「もう終わりか、坊主?」


Eleoは息を整え――

それでも笑った。


「まだまだだ!」


Kumaが片眉を上げる。

「ほう?」


Eleoは顔の泥を拭い、足を踏み鳴らす。

「確かに、オレは弱い。遅いし、何もかもお前には敵わない……」


「……けどな!」


Eleoは胸を張った。

「オレは“弱いまま”で終わる気はねぇ!!」


静まり返る観衆。


KumaはしばらくEleoを見つめ――

やがて、雷のような笑い声を上げた。


「ハッハッハッハ! いい答えだ、坊主!」


Eleoは目を瞬かせる。

「え?」


KumaはEleoの頭を撫で、ニカッと笑った。

「負けても折れねぇ心。……それが大事だ。」


「じゃあ……オレ、合格!?」


Kumaはビールを飲み干し、笑う。

「よし、Eleo。これからも鍛えてやる。」


観客が歓声を上げた。


Eleoは拳を突き上げる。

「やったぁぁぁ!!」


Abbyはため息をつきながら肩をすくめた。

「ま、無事だっただけマシね。」



---


五日後。


Eleoは地面に倒れ込み、犬のように息を荒げていた。

全身の毛は汗でぐっしょり。立ち上がろうとして、また顔から土に突っ込む。


Kumaは近くの切り株に座り、いつものようにビールを飲んでいた。


「よし、坊主。」とKuma。


「ぜ、ぜぇ……なんだよ……」とEleoがかすれた声で答える。


「オレはもうすぐ旅に出る。」


「はぁっ!? な、なんで!?」


「ちょっとデカい問題があってな。危ねぇ仕事だ。ここには長くいられねぇ。」


Eleoの耳がしゅんと下がる。

それでも無理やり笑った。

「そっか……へへ、大丈夫! 全然平気!」


Kumaはその笑顔の裏を見抜いていた。


「ついて来い。」


「え? どこ行くんだよ?」


答えず、Kumaは歩き出す。

Eleoは首をかしげながら後を追った。


森の奥、小さな広場にたどり着く。

Kumaがコートの中から取り出したのは――青黒く光る球体。


「うわぁっ! なにそれ!?」


Kumaは微笑む。

「これは“ソウルオーブ”。略してSオーブって呼ばれてる。……ほら、持ってみろ。」


Eleoは勢いよく受け取り――


ペロッ。


Kumaは沈黙した。風が吹いた。


「……」

「……」

「……お前、何してんだ?」


「うぇっ……汗くせぇ石みたいな味する!!」


「食うんじゃねぇ! 吸収するんだ、バカ。」


「そ、そういうことか!」


Eleoが目を閉じ、集中する。

オーブはゆっくりと体に吸い込まれていく。

一瞬、温かい光に包まれた――


次の瞬間、


「うわああああああああああああ!!!」


Eleoが地面を転げ回る。全身が燃えるように熱い。


Kumaはビールを一口。

「言い忘れてたけど、ちょっと痛いぞ。」


「ちょっとじゃねぇぇぇ!!」


そこへAbbyが駆け込んできた。

「ちょっ、何したの!?!?」


「Sオーブを与えただけだ。」


「伝説級のアーティファクトを!? おやつみたいに渡すな!!」


「うむ。」


「しかも説明なし!?」


「うむ。」


「責任って言葉、知ってる!?」


「知らんな。」


Eleoはピクピクと痙攣しながら転がっていた。

「……ご先祖さまが見えた気がする……」


Kumaは頭をポンと叩いた。

「そのうち慣れる。今は弱くても、いつか役に立つさ。」


「……今すぐ強くはならねぇのか?」


「ならん。」


「スピードは?」


「ない。」


「ヒートビジョンとか!?」


「ウサギにそれはいらん。」


「つまり……まだ弱いまま!?」


Kumaは笑い、立ち上がった。

「いや、“可能性”は手に入れた。」


「なにそれ、意味わかんねぇよ!」


「さあ、港へ行くぞ。」



---


数分後。


三人は港に立っていた。

巨大な空船が頭上を覆い、竜のような翼を広げている。

風が帆をはためかせ、低いエンジン音が空気を震わせた。


Kumaは乗船口の前で立ち止まり、穏やかに微笑む。


Eleoの耳が垂れる。

「本当に行っちゃうの?」


Kumaはため息をついた。

「ああ。でも安心しろ。いつかまた戻ってくる。」


Eleoは無理に笑う。

「へへっ……その時にはオレ、絶対最強になってるからな!」


Kumaはにやり。

「そうか、楽しみにしてる。」


AbbyはEleoの隣で微笑む。

「どうかご無事で、Master Kuma。」


Kumaは彼女の頭をくしゃっと撫でた。

「お前もな。Eleoを頼んだぞ。」


「……それ、一番大変な仕事なんだけど。」


Kumaは笑い、空船へと足を進める。


「バイバイ、Kumaーー!!!」

「ちゃんと帰ってきてよー、じいさん!!」


Kumaは振り返り、手を上げて笑った。

「もちろんだ。」


空船が浮かび上がり、雲の中へと消えていった。


EleoとAbbyはしばらくその空を見上げていた。


そして――


Eleoがバタリと倒れる。


「Eleo!?!?」


「……あのオーブ、まだ痛ぇ……」


Abbyはため息をついた。

「ほんと、救いようがないわね……」


Eleoは空を見上げて笑う。

「でもオレ、絶対に最強になるんだ。」


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