サイハテという死の土地の不気味さと終末感がよく描けています。特に生命の気配が消えた世界描写や、「膜」の存在が強い謎を生み、続きを読みたくなりました。ロイの不安と読者の不安が重なる構成も上手です。一方で序盤は説明がやや多めなので、人影や生ける屍の謎をもう少し早く前面に出すと、さらに引きが強くなりそうです。
読後に感じるのは、本来のファンタジー作品に出逢えたような心地よさです。硬派なダークファンタジーは、ここにある。