聖クレバー学園

ホーリークレバー学園スクール

それは、0歳から18歳までの聖なる使徒を育てる、孤児院を兼ねた、全寮制の学園。

聖なる使徒(聖魔導師とも言う)である私達は、理事長チェアマンを筆頭に、学園長プリンシパル牧師先生パスター修道女シスター寮長ハウス・マスターの職員に育てられる。

寮は2つに分かれていて、男子寮が赤薔薇寮ドーミー・レッドローズ、女子寮が白百合寮ドーミー・ホワイトリリーとなっている。


「ララ・ディアム!貴女、また任務の報告を怠りましたね!?」

「やべ、ばれた」

私の名前を呼び、甲高く私を非難するのは、学園長。

とっくの昔に婚期を逃した可哀想な女性である。

「ごめんなさーい」

「貴女、この間も同じことをしているじゃないですか!全く…理事長先生も何故このような者を庇うのでしょうか……」

心底理解出来ない、と言わんばかりに額を押さえる学園長。

「良いですか?貴女は誇り高き聖魔導師…聖なる使徒なのですよ。人類の最後の砦です。貴女は聖なる使徒に相応しくありませんわ!」

(耳が痛い…)

うるさいなぁ、と顔を顰めれば、学園長は一段と声を荒らげた。

「神の子に選ばれる為、他の生徒達は日々真面目に生活しているというのに…」

「学園長先生、理事長先生が探していましたよ」

修道女シスター・カルディア!理事長先生が私を?分かりました、すぐ行きます」

カツカツカツ、とヒールの音を鳴らし、学園長は理事長室へと歩いて行った。

「ありがとう、修道女カルディア」

「ふふ。…でも、任務報告を怠るのは駄目ですよ?ララ」

「はぁ〜い」

「気を付けてね」

ふわりと微笑むのは、修道女カルディア。

聖クレバー学園の中でも特に優しいで有名な修道女だ。

問題児の私にも優しく接してくれる、 数少ない職員でもある。

《聖魔導師No.125674。ランク・A、エリア・ディアー街へ任務に行きなさい》

放送で呼ばれ、私は修道女カルディアに挨拶をし、任務へと向かった。

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