男子だけど「かわいい」って言われたいと思っていたら、転校生の幼馴染クール美少女に口説かれていた。
竹薮林
第1章
プロローグ
『かわいい』という言葉が大好きだった。
その言葉を受け取るたびに、とても嬉しい気持ちになった。
その言葉を受け取るために、かわいい自分であり続けようと思った。
しかし時の流れは残酷なものであった。
身体はみるみるうちに成長し、大柄な体格となる。
今まで『かわいい』と言われていた仕草や言動が、無情にも周りからすると気持ちの悪いものになってしまっていた。
それなのに――。
「おはよう、
そう言ってくれる人が、隣にはいる。
僕はまだ、かわいいって言われてもいいんだ。そういった自信を、彼女は与えてくれた。
「おはよう、
僕――谷塚柊佑は、隣を歩く彼女、
艶やかで美しいまとめ上げられた黒髪、女子の中では高めの身長、スレンダーで見る人を惹きつけるボディ。
「逢瀬さんも、その、今日もかっこいいよ?」
気恥ずかしくなりながらも、しっかり伝える。
彼女は微笑み、その整った顔を僕に覗かせる。
その顔に思わず見惚れてしまい、胸を高鳴らせる。
僕に『かわいい』と言ってくれる彼女が隣で歩いていることに幸せを噛みしめながら、今日も登校した。
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