何か
湖城マコト
呪いのゲームに関する調査報告
「トッカンドリル・クリア耐久! アクションゲームなら俺に任せておけ!」配信アーカイブ
2025年5月24日
配信者Xのゲーム実況「トッカンドリル・クリア耐久! アクションゲームなら俺に任せておけ!」配信アーカイブより。
配信準備中の画面。フリーのBGMが流れ、Xのチャンネルのロゴが表示されている。
「こんばんは。Xです! 今日も楽しく配信していきましょう!」
配信開始から約2分。画面がゲームのタイトルへと切り替わり、Xの配信が開始される。
「本日は鬼難易度のアクションゲーム『トッカンドリル』をプレイしていきたいと思います。ゲームクリアまで一枠では収まらないこともザラの、実況泣かせと話題のこのゲーム。一応、アクションゲームは得意なつもりなので、クリアは最低条件。RTAをするぐらいの気持ちで挑みたいですね。目標は6時間ぐらいかな。早速プレイしていきたいと思います!」
ゲームのプレイが開始され、主人公である採掘用のロボットが横スクロールで進みながら、両腕のドリルでひたすら地面を掘り進めていく。道中、様々な敵や障害物を、操作性が悪い中で回避していく必要があり、中には、いわゆる初見殺しとでも呼ぶべき理不尽な罠もある。Xは失敗する度にバリエーション豊かな叫びでリアクションをしていくが、アクションゲームが得意という評判を裏切らず、10分もプレイをすれば操作性にも順応し、理不尽な初見殺し以外で失敗することは、ほぼ無くなっていった。
「チェックポイントまで来たー! これで残り半分。僕、めちゃめちゃ上手くない?」
配信開始から約1時間30分。全10ステージの内、5ステージ目までクリア。しかし、後半へ進むにつれて難易度は上がり続け、攻略ペースは落ちていくが、それでもXは流石のゲームセンスで着実に前へと進んでいく。
「やった! やったぞ! ゴールゴールゴール! クリアだ! よっしゃああああ!」
配信開始から5時間39分。採掘ロボットがゴールである地下文明の遺跡へと到着。苦戦を強いられた分、達成感もひとしおで、Xは感情的に歓喜の言葉を連呼する。
「時間を確認したら、5時間35分(待機時間、操作確認の時間を除く)でのクリア。目標だった6時間よりも早くクリアすることが出来ました。いやー、僕ってやっぱりゲーム上手いんですね。あっ、ごめんごめん。うざいからってチャンネル登録解除しないでよ」
ゲームをクリアしたことでコメントを拾う余裕が生まれ、リスナーとお馴染みのやり取りを交わし、直後にコメント欄に「草」や「www」が増える。
「予定よりも早くクリアできたので、今週のスケジュールについて確認しておこうかな。SNSには夕方に上げたけど、こっちでも念のため。明日と明後日は、ごめんだけど配信はお休みです。27日は21時から『一七夕』というホラーゲームをプレイ予定。色々あってもうダウンロード出来ないレアなゲームなんだけど、リリース直後に、いつか配信でプレイしようとダウンロードしていたのを思い出してさ。せっかくならプレイしてみようかなと。
ホラーだし怖いとは思うけど、ドット絵で表現された作品だから、グロとかが苦手な人でも大丈夫じゃないかな。少し間が空いちゃったけど、28日、29日は『MM」の続きをプレイ予定。この二日でクリアまで到達したいところだね。30日は前々から告知していた通り、食べるタイプの案件配信があります。どんな内容かは当日のお楽しみということで。スケジュールの確認はこんなところかな。そろそろ良い時間だし、今日の配信はここまでにしておこうかな。皆、最後まで付き合ってくれてありがとう! それでは次は、27日の配信でお会いしましょう! ばいばーい! お休み~」
配信終了。
この配信を最後に、Xは無期限の活動休止に入った。公式SNSでは、Xが突然の体調不良によって無期限の活動休止に入る旨がスタッフから報告され、今後のスケジュールも全てキャンセルとなった。
X本人よる説明は一度もなく、彼の身に何が起きたのかは、未だ不明のままである。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます