魔法がとけたら

@tonnziru

第1話 黒猫

夏休みがあけた。中学生になって初めての夏休みは嵐が過ぎ去ったようだ。


二学期が始まった。蒸し暑い通学路を七瀬葵生(ななせあおい)は幼馴染の荻野結菜(おぎのゆうな)と歩いている。いつも通り2人は文句を言いながら学校に向かう。向かう途中に寄り道してはグダグダとふざけながら歩く2人は傍から見れば変人だろう。けれどそんな毎日が2人は好きだった。今日はどんな発見があるかと話しながら歩く2人の前を黒猫がよこぎった。「あ黒猫じゃん」結菜が言う。葵生はと言うとその時にはもう黒猫を追いかけていた。

「あ!まてーーーー!!」結菜は幼稚園の時から見ているのですっかり葵生の天真爛漫な所には慣れてしまった。どうせ猫になんて追いつきっこないと結菜は思いながら葵生と猫を見ている。葵生に追いかけられた黒猫は逃げていく。後ろから追ってくる葵生を見ながら黒猫はボロ屋の方へ逃げていった。ボロ屋とは一学期にはなかった夏休み中に建てられたであろう通学路にできた草が生い茂ったボロボロで壁の木が剥がれている家の事だ。新しい家だと2人は思っていたがあんなにボロボロなのはおかしいと思っていた。葵生は疲れて走るのをやめて優菜の所へ戻ってきた。「あのボロ屋の猫なのかな?」黒猫は高いジャンプで家の柵にのりベランダの屋根に乗り移った。2人はあの家について知れるかもしれない状況に心を踊らせた。2人は猫を見ながら屋根は草が生い茂っておりもう行く道はないだろうと話していたが黒猫はその草の中へと消えていった。2人は驚いた。葵生はその魔法のような瞬間を見てしまいワクワクを隠せない。結菜は葵生のその様子を見て一言。「ちょっと追いかけてみない…?」葵生はその提案に大賛成だ。2人は好奇心を抑えきれず猫が消えていった家へと走り出した。

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