転生医術師の魔法好きがこうじて神にまで上り詰めた件

吾妻 八雲

シーズン1 【王立魔法学院編】

第1話 プロローグ

魔法、それは光、闇、炎、水、風、土の6属性に大きく分類される。この、当たり前のように魔法が使える世界では、魔素と魔力によって魔法が発動されると信じられていた。しかし、真の魔法の真理に気づくことのできる者は、未だ現れていない。そう、魔法とは単なる力ではなく、世界そのものを紐解く鍵だったのだ…。




そんな魔法の世界とは全く異なる場所、現代の日本。


僕は、忙しい救急病院で研修医として働いていた。


「先生!こちらの患者さんをお願いします!」


「分かった、次のオペの準備を頼む!」


「了解です!」


看護師たちは次々と患者へ対応し、重圧と慌ただしさに追われながらも懸命に働いていた。




僕も彼らに混じりながら、最後の患者の処置を終えると、やっとのことで仮眠室までたどり着いた。


「先生、長い間ご苦労様でした。」


看護師長が、忙しいなかわざわざ僕のところへ来て、労いの言葉をかけてくれた。


「いえ、こちらこそお世話になりました!」


僕は彼女に深々と礼をした。


「ここだけの話、先生がこの病院でこのまま働いてくれたら、どんなに心強いか…先生のような優秀な方は、最近、滅多におられないので…」


看護師長は僕の肩をポンと叩いた。


「そう言って頂けるだけで嬉しいです。」


僕は丁寧にもう一度お辞儀をした。


「先生も、お身体を大切に!」


そう言うと、また忙しそうに薄暗い廊下へと消えていった。




僕はこの4月から、S市民病院で医師として勤務することが決まっていた。最後の当直を終えると、帰宅するため電車のホームで一人佇んでいた。




誰もいない早朝のホームでは、冷たい空気が漂い、透き通るような静寂だけが僕の疲れた心を癒してくれた。チュンチュンと雀の鳴く声が辺りに響き渡り、僕はその音に耳を傾けながらゆっくりと目を閉じた。




すると、鋭いキーっという金属の擦れる音がホームに響き渡り、静寂を切り裂いた。


「電車がきた!」


僕はそう呟くと、少し上を向いて真っ青な空を仰いで、もう一度ゆっくりと目を瞑った。そこへ電車がホームへと入ってきた。その時、朝日が電車の窓ガラスに反射して、一筋の光が僕の瞳を突き刺した。


「うっ…眩しい!」


次の瞬間、僕の目の前は真っ白になって…

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