100周年セレモニー
第1話 100周年セレモニー エピソード1
「本日、創立100年目を迎えたゴスぺラス・ホールディングスから中継です。」
目的地に向かう途中。
商業ビルの大型ディスプレイから流れる音声で、ふと足を止めた。
「現在100周年セレモニーの準備が行われている会場に来ています。」
「会社より代表メッセージが届いています。ご覧ください。」
代表者のメッセージが、街頭に響いていく。
"エネルギー。
それは旧文明の大きな課題でした。
燃料の枯渇。
再生可能エネルギーなど新技術に活路を求める中、
ついに人類は生命エネルギー実用化の扉を開きました。
ゴスぺラス・ホールディングスはその先駆けとして、
常に時代の最先端技術を実現し続けました。
そして本日、ついに100周年を迎えることができました。"
なおも続く大層なメッセージを聴いていると、
「置いてくよ?」
前を歩く同僚からの声で、我に返る。
「ごめん、見ておきたくて。」
つい言い訳をこぼしつつ、彼女の後を追う。
先を行く黒髪の女性は特に気にすることなく、頷くと歩き出す。
後を追いながら彼はニュースの中継会場に想いを馳せる。
まさに今向かっている、仕事の現場へと。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます