今、貴方は何を思っているのでしょうか

秋田の地。

今、空は夜。

そこでは星々が舞踏会をしている。

時折花火という名の彗星がお邪魔する。

そんな夜。

一人の少女が空を見上げている。

『今、貴方は何を思っているのでしょうか』

少女は遠く離れた恒星系にいる彼を思う。

次の瞬間、ほうき星が少女の頭上を走った。

彼女はクスリとして言った。

『あなたは光より早く答えてくれるのですね』

「あなたは光より早く答えてくれるのですね」　

今日はそのような空だった。

「姫様、もうお休みになってください」

侍女頭が言う。

「ええ」

少女は寝室へと戻っていった。

稲穂のせせらぎが、彼の聲にも思えた。

挿絵：

https://kakuyomu.jp/users/zangyoudaidenai/news/822139837207072916