天、照らす

逢坂らと

第1章 瞬き

第一話「瞬き」①

「じゃ、いってきまーす。」

少し小さな声で、「同居人」に

そうに言いながら、界は玄関を出た。

時刻は6時。

学校が始まる時間より2時間も前だが、

界はそれに気付かない。

「同居人」も、早くに学校に行くのは

別に悪いことではないと思っていたので、

何も言わなかった。

果は伸も知らずに歩いている。

おかしい、と思っている。

まるで自分だけ

この世界に残されたかの様に、

人っ子1人いない。

誰にも会わないまま界は校門に着いた。

軽く首をかしげる。

今日は学校は休みだっただろうか。

門は閉まっている。

いや、もう少し待ってみよう。

でも、ずっとここで立っているのは疲れる。カバンの中からサイフを取り出す。

そしてそのまま界は、

近くのコンビニエンスストアに向かった。

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