壮大な前作に引き続き、アルディーナを舞台として語られる本作。
ひとつの大きな区切りを迎えたわけですが、なんとその後が綴られています。
アルディーナの外、その他の国、人物との関り。いち読者としましては登場人物たちのその後がまた見られることに嬉しさを感じました。
男女満遍なく魅力的なキャラクターがたくさん。アルディーナに生きる彼らをより深く、また別角度から見させてもらっている気がしてワクワクしました。
まだ物語は終わっておりませんが、私が読んでいる現在。この盛り上がりがどうなっていくのか、これからの展開が非常に楽しみです。
小説の中でジャンル一つ、例えばファンタジーと言っても、カラーは色々だと思うんです。私はこの作者様の作品はランプの灯りのようだと感じています。作品の至る所に作者様のファンタジー愛が滲み出ていると思います。オススメです!是非読んでみて下さい。
女神に守られた幸福な国アルディーナが崩壊し、再生へと向かった前作は、どこか詩のような余韻を持つ物語でした。
一方で続編となる本作は、登場人物たちの動きや関係性が、より鮮やかに“映像”として浮かび上がってくる印象を受けます。
前作で神声者だったパティアは、女神の去った世界で少女の姿となり、新たな生活を始めます。
かつて彼女に憧れていたカルシュは、その正体に気づかないまま、彼女を妹のような存在として共に行動することに。
外へと開かれたアルディーナは、これまで知らなかった脅威にさらされていきます。
その中で、パティアとカルシュの関係はどう変わっていくのか。
物語はまだ途中ですが、この先の展開がとても楽しみです。
この作品のタイトルがとても印象深いです。
「胸のうちを明かせない。」という言葉が示す通り、本文も登場人物たちの心情を語る形で物語が展開していきます。
女神の加護を失った混沌とした人の世で、かつて女神に仕えていた神声者パティアは、力を失い、人間の世界に放り出されます。
本作は、そんな彼女が今どう思っているのか、何をどうしたいのかを、非常に丁寧に描いていく物語です。
幼い頃に経験した「女神と共に人々を支える」という崇高な役割を心の奥底に秘めたまま、力を失い、見た目ゆえの辛い扱いを受けながらも、それでも「どうにかしたい」と悩み続けるパティアの姿は、とても健気で心を打ちます。
派手なモンスターとの戦いは描かれていませんが、「自分が同じ立場ならどうするか?」と一歩踏み込んで考えさせられる、登場人物の心に寄り添いながら読む大人向けの物語だと思います。