腐前:火曜日
今日もハローへ向かう。
何も考えずに一日を過ごしていたら、もうあたりは赤いようなオレンジ色にも見える太陽が影を作っていた。帰りの電車に乗り込み、昨日と同じ車両に乗る。昨日倒れた駅に着くと大勢の人が乗ってきたが、俺には輝いて見えた。「良い人」なんて言葉では表せない、いや、もったいない。ふとほのかに香った甘い匂い。こんなに惹かれるということはきっと昨日僕を救ってくれた人なのだろう。根拠はないのに自分の頭がそう思っている。
恩返しをしなくては。
ふとあの子の声が聞こえる。「彼氏ほしー。」友人と会話しているようだ。そうだ俺が彼氏になってあげよう。どこぞのCMのキャッチコピーに似た決心を胸に抱え、きっとあの子もそのほうが幸せだろう。と抱えたものと一緒に胸を躍らす。
そして僕は夕日に照らされるあの子を好きになった。あの子という言い方は彼氏らしくない。ちゃん付けで呼ぼうと思ったが、名前を知らないことに気が付いた。まあ名前なんてこれから知っていけばいい。
今日は僕と〇〇ちゃんの記念日だ。僕はできる彼氏なのでスマホのカレンダーにメモをした。彼氏としてできることをなるべくしたい。手始めにちゃんとお迎えするのが大事だよな。
僕は○○ちゃんが好きだ。
腐中 らいちゅー @ippanzin__
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