第2話(A-2)バタフライ エフェクト (レイvsユリノ)

(ラップ)その飛行機には、不知火しらぬい

財閥の社長夫妻と共に、

ロックスターの、アキラが乗ってたから、

ワイドシヨ-騒がせたが、子供のレイには

父親の存在は、コンサートで一年中、

日本中、旅し、

ほとんど家にいたことないし、

思い出ないし。


(歌)飛行機事故の、合同慰霊式の会場、

大勢の黒い喪服の、遺族達が集う、

うず高く積まれる、花ばなの巨大な山。

華やかな色彩、あふれかえる甘い香り漂う。


星の数の、キャンドル灯る炎ゆらめく

きらめく光の海で、彼女を見つける。

息をのみ見とれる。魂が天国の

感触に包まれ、幸せの炎に燃え上がって。


*この世界には、偉大な神聖な清らかな、

真実の愛は、まれなものだが

しかし僕は、7才にして、それを知ってしまった。

毎日のどんな喜びも越えた、不滅の思い。

父の命日、彼女にまた会える、

待ち遠しい運命の日。*


はしゃぎまくり、母親に頭どつかれてた

男の子、私の前に立ち、じっと見つめた。

捕まえたばかりの、蝶々をポケットから

取り出すと、これをあげるから僕と結婚してよ。


あっ!蝶々が逃げた ! 私のこと、すっかり

忘れ蝶々追っかけてった。まわりの大人達、

吹き出して、遊んでいるんだと、カン違いし

おばあ様が怒って怒鳴りつける。私何も悪くない


*顔 真っ紅になり、怒り、こぶしが震えてる。

あふれ出てくる、くやし 涙を

隠すために、顔を伏せてる。こんな恥ずかしめは初めてだ。この屈辱、一生、忘れはしない。

あいつ、まるで飛び出す絵本から

飛び出て来たようなアホウ。*


*この世界から、両親、消えた日、子供の

時代を奪われ、よだれ、たらした

ハイエナの大人の支配たくらみ見て見ぬふりし

仮面つけ、自分のものではない人生おくり

生き延びなきゃならない。でも彼は、

蝶、追っかけ、消えてった。*


(ラップ)

あんた! 何なの? あんたバカなの?バカなの?

バカなの?バカなの?

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フェニックスorエッグ(不死鳥が先か玉子が先か) @Alphaomega1

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