この物語は爽快なカタルシスと、それを支える緻密な設計の上に成り立つ物語です。
シャロンから託された魔法剣「グラディウス・シルフ」を、私は「名前以外はよく分からない」という説明のまま、単なる強力な武器として読んでいました。
だけど、敵の魔術師ジンザがその剣を見て驚き、剣聖(名前は伏せます)との因縁が明かされたときは物語に奥行きが生まれました。
また、敵兵から奪った「正体不明の鉄球」が、敵のOOOO(ネタバレ防止)を打ち破る決定打になったときも、伏線の回収が上手だなと思いました。
北の山への大規模な軍の移動に読者として意識が向いているあいだに、真の危機が別で起きていたことも読み応えのひとつです。
そして何より、私の心を掴んだのは、この物語の結末が持つ「必然性」です。
「母は取り上げた木剣を両手で後ろに隠し、しゃがみ込んでフィリアの碧眼の瞳と視線を合わせた」
冒頭のこの一場面に、この世界の閉塞感が凝縮されていました。
その社会構造が、個人の情熱ではなく「国家存続のための論理的な解」として崩れていく構成に、深い納得を覚えました。
「男尊女卑」という制度そのものが敵につけ込まれる弱点だったからこそ、フィリアの勝利がシステム変革の証拠として機能する。
この冷徹なリアリズムは感動しました。
逆境を切り拓く少女の物語を、これほど論理的に、そして熱く描いてくださり、ありがとうございました。
その熱い思いは一個人の読者ではありますが、私には届きました。
強い信念を持った女主人公が主役の異世界ファンタジー!
主人公のフィリアは貴族令嬢でありながら、剣聖だった祖父に憧れて騎士を目指します。しかし、女であることを理由に、父をはじめとした周囲は彼女の剣の才能を認めず、彼女が女らしくあることを望みます。そんな理解を得られない状況の中でも、フィリアは夢を諦めませんでした。騎士にふさわしい剣の実力を見せつけ、彼女の夢に続く道を一歩一歩着実に歩んでいき――。
男女平等と口では言うものの、なかなかそうはなり切れない。現実にも近い社会状況のなかで主人公が夢に向かって突き進む姿に共感しました。
しかも、主人公が文句を言う周りの口を剣の実力を見せつけてふさいでいく姿は爽快!ざまぁが決まっていて、読んでいて楽しかったです♪
読み進めていくと、フィリアがとてもいい子だと気づきます。そんな彼女の人柄を知って、認めてくれる仲間が増えていく展開にほっこりもしました。
困難に負けずに努力し、着実に剣聖への道を登っていくフィリアの姿が印象的な女性向け異世界ファンタジーの良作です!
男尊女卑な封建社会。
貴族でありながら女性騎士をめざす幼き少女フィリア。
〝剣聖〟と言われた祖父から受け継いだ素質は家族の中でも段違い。
ひょんなことから独立騎士団へと仮入団し、切磋琢磨すること幾年。
そんなある日、事件が起こります。
果たして、フィリアは人々を救えるのか!
強敵を倒すことはできるのか!
※本作は「カクヨムコンテスト11」長編「異世界ファンタジー【女性主人公】部門」エントリー作です。
少しでも「いいな」と思ったら★1つ。
「これ最高!」と思ったら★3つ。
それがカクヨムのシステムです。
★1つが「つまらない」ではないのです!
面白い!と感じたら★で評価する。
それがランキングを上げ、より多くの読み手の目に届き、読まれ、また★が増えていく。
「カクヨムコンテスト」はそういう★レビューのシステムを読み手に確認するためのイベントなのかもしれませんね。
私は本作が「面白い!」と思いましたし、「これからの展開も期待できる!」と感じましたので、二十七話の段階で「★★★」を入れました。
この★レビューコメントが、すべての「カクヨムコンテスト11」応募作の応援になれば幸いです。