くたびれ魔法使いと天衣無縫な弟子

@yura_tsukaguchi

第1話

 突然差し込んだ光は、まるで眼前から照射された陽光のようで、よくぞ目が潰れなかったものだと感心してしまう。目の前に突如現れた光源は店にやってきた青年だった。サラリとした金髪に引き込まれそうな大きな翠の瞳を持った息を飲むほどの美形。さらに溢れだした煌々とした魔力。一片の陰りもない光明はそれに似合った朗々とした声で叫ぶ。

「お願いします! オレを弟子にしてください‼」

「……お帰りください」

 呆気に取られてしまいそうな発言になんとかお引き取り願い、他のお客さんの相手をする。商品を渡して、代金を受け取り、礼を言って見送る。いつものルーティンをこなし青年を再度見やると、先ほどの輝きはどこへやら。しょんぼりと肩を落として途方にくれている。

「あの、買わないんなら帰ってください」

「あっ、す、すいませんっ! ではこれを一つ」

 青年は慌てたように視線を巡らせ、魔力石のついたネックレスを指さした。それは昼間蓄えた光を夜に発散するもので、遅い時間に出歩くのであればそこそこ便利、というような代物だった。物を買うと言うのであればこの青年も客だ。商品を渡し、差し出された代金を受け取る。ネックレスを受け取った青年は深々と頭を下げ、去って行った。なんだったんだ、あの青年。ひとまず何事もなく営業を終えた店を片付け、明日の分の仕込みを始めるのであった。


 翌日。またしても目を焼くほどの光に襲われる。諦めて帰ったと思っていた青年は今日も店先で深々と頭を下げていた。

「お願いします! オレを弟子にしてください‼」

 完全なるデジャヴ。なんなら再放送。昨日と寸分違わぬ光景に思わずため息が出る。週末に開かれる市場に出店し生計を立てている身からすればこんなことを続けられるのはたまったもんじゃない。今だってあからさまに客足が遠のいている。さっさとこのキンキラ弟子入り志願者を追い払わなければ。

「弟子は取ってない。というか、わたしが何者か知ってて言ってるのか」

「え? 最強天才魔法使いのオスクさんですよね。オレ、あなたに憧れてて! 弟子にしてください!」

「なんだよそのだせえ肩書き! 別に最強でも天才でもない。どこで言われてるんだそれ」

「巷で有名ですよー。魔法使いなのに一般人にも優しくて、人のためになる魔法道具を売ってくれる最高の魔法使いだって」

「……はあ。そうですか。だったとして、わたしは弟子なんかとってない。諦めてくれ」

 悪い噂じゃないのなら別に構わないが、こんな輩が出てくるのであれば人との関わり方を考えるべきなのかもしれない。きっぱりとした拒絶に肩を落とした青年は今日も一つ魔法道具を買って帰っていった。これすら再放送じゃねえかと思いつつ、いつもより多く残った在庫に溜息をつき店じまいの準備を始めるのだった。


 翌朝、日も高い時間帯に来客を知らせるベルが鳴る。嫌な予感がしつつ来客の姿を確認すると、案の定、例の青年が立っていた。ここまで来るともう警備隊に相談した方が良いレベルだ。門前払いを喰らわせてやろうとドア越しに声を掛ける。

「帰れ」

「あっ! オスクさんっ! 今日は手土産を持って来ました!」

 こちらの声が聞こえなかったかの如く主張する青年にため息をつく。なんなんだこの青年。暇なのか。家の場所に関しては正直この辺の森に住んでいる人間なんて自分くらいなものだからバレるのは仕方がないとして、わざわざ訪ねてくるかなほんと。

「帰れ」

 もう一度それだけを言ってドアの前から離れる。その後も外でなにやらごちゃごちゃ言っていたが、あんなやつに取り合っている暇はない。魔法使いになりたいのならあの豊富な魔力を使って勝手に一人で特訓でもなんでもすればいいのだから。青年を無視して週末の市場に出すための魔法道具を作り始め、気が付いた時にはもう青年はいなくなっていた。


 それからというもの、青年は懲りもせず毎日毎日手土産を持ってきては扉の向こうで弟子にしてくれと言いに来ていた。初めの数日は帰れと言っていたけれど、それも億劫になって最近は完全に無視するようになった。市場にいるときは無視するわけにはいかないけれど、ほぼ会話もせずに追い払うようにしていた。それなのに、これがどうしてか一向に諦める気配がない。ここまでとりつく島もないのによくもまあ続けるものだ。呆れを通り越して尊敬の念すら覚え始めた頃、突然青年が姿を現さない朝が来た。ようやく諦めたかと胸をなで下ろした次の瞬間、森に張っている魔獣避けの結界に乱れが起きた報せが響く。なぜかいてもたってもいられないほどの焦燥感が襲ってくる。どこか確信にも似た感覚で、森の奥へと走った。結界が破れたであろう場所へ向かうと、そこには案の定今にも襲われそうな例の青年。突き抜けるような青空を仰ぎ見て、迎撃用の攻撃魔法を放つ。光の矢は魔獣を的確に射貫き、消滅させた。間一髪で怪我をせずに済んだであろう青年はこちらを勢いよく振り向いて目を輝かせた。

「オスクさん……!」

「キミ、バカなの。こんな森の中で魔力垂れ流して。食ってくださいって言ってるようなもんだよ。さっさと引っ込めろ」

「え、っと……?」

「は……?」

 言われている言葉が分からないとでも言いたげな表情に冷や汗が流れる。青年の魔力は自己主張の表れみたいなものだと思っていた。自分にはこれだけの魔力があるのだから弟子にするに不足ないだろうというような。でも、単純に己の魔力量に気付いていなくて、なんのコントロールも出来ないのだとしたら。それは、由々しき事態だ。

「これ、被ってて」

 自らが着用しているローブをかぶせ、結界の割れ目に向かう。割れたところを修復している間もわらわらと寄ってきている魔獣を撃退し続け、ようやく作業を終えた時には疲労感に苛まれていた。

「あ、あの……」

「キミさぁ、よく魔獣に襲われるんじゃない?」

「え、どうしてそれを……?」

「さっきも言ったけど、魔獣は魔力を感知する。キミの魔力量は膨大だ。しかも蛇口ガン開き状態の垂れ流し方。そりゃあ寄ってくるよね」

 目を見開き固まった青年を見て、思わずため息が出る。袖振り合うも多生の縁、というような言葉があるが、これはそれ以上の縁が繋がってしまっている。この子の状況を分かってそれでも関係ないとつっぱねられるほど薄情にはできていない。こんなことになるのなら、いっそのこと助けにくるんじゃなかったな、と後悔が押し寄せてくる。しかし、きっとここで手を離したら後悔どころではすまない。

「魔力のコントロールくらいならいいよ」

「え……?」

「弟子になりたいんでしょ? いいよ。大したことは教えてあげられないだろうけどね」

 向けられた喜色満面の笑みはやっぱり光り輝いていて、自分には眩しすぎるな、と改めて思う。でも、関わってしまったからにはこの光が消えてなくならなければいいなと思ってしまったのだった。


 家に戻りひとまず改めての自己紹介をする流れになった。机を挟んだ対面で背筋をピンと伸ばした青年は深々と頭を下げた。

「この度は、弟子にしていただけるとのことで、大変光栄に思います。オレ、ルーチェって言います。小間使いでもなんでもします!」

「年は?」

「十六です!」

「そう。家はこの辺から近いの?」

「市場から二十分くらいの場所です!」

「通ってくるの大変だったでしょ。物好きなヤツ」

 明るくて人好きのする青年ではあるが、常に魔力を垂れ流しているのであれば、結構な頻度で魔獣に襲われるはずだ。街には結界が張られているけれど、それも絶対じゃない。森などの結界の外に出れば安全も保証されない。そんな状態じゃあまともに働けもしないだろうことは明白だった。確かにこの青年は魔法使いになるしか道はないのかもしれない。

「オスクさん、オスクさんの事も知りたいです! 教えてください!」

「別に語るようなこともないけど……」

「じゃあ、年齢は?」

「二十七」

「いつから魔法使いになったんですか?」

「キミと同じくらいのとき」

「師匠は?」

「いないよ。独学で」

 矢継ぎ早に手渡される質問に答えていくと、どんどん瞳の輝きが増していく。何がそんなに嬉しいのか全然分からないけれど、久々に人と話をしているからか、なんだかいつもの倍は疲れてきた。

「今日は疲れたから、教えるのは明日からでいい?」

「もちろんです! ご飯とか作りましょうか!」

「いいよ。弟子を雑用にする気はない」

「優しい……! さすが最強天才魔法使い……!」

「ほんとそれやめて」

 その後も適当にルーチェからの質問に答えて家に帰す。ようやく静かになった家でゆったり過ごしていると、数時間後にまたしても来客を知らせるベルが鳴る。重たい身体を引きずりながら外を確認すると、そこにはデカいリュックを背負ったルーチェが立っていた。

「オスクさん! 荷物まとめて来ました!」

「……はあ?」

 思ってもみなかった行動に驚いていると、ルーチェはドアを開けて入ってきてしまう。不思議そうに首を傾げているが、その顔したいのはこっちなんだよなと回らない頭で思った。

「今日からよろしくお願いします!」

「いやいやいや待て待て待て」

「はい?」

 勝手に話を進めていくルーチェに待ったをかける。こいつもしかしてここに住むつもりなのか。

「修行は明日からですよね。大丈夫です分かってます」

「いや、いやね? キミうちに住もうとしてない?」

「え? だめ、ですか……?」

 捨てられた子犬みたいな顔でショックを受けているのを見て頭を抱える。なんでこの子当たり前に受け入れてもらえると思ってんだ。訳が分からないけれど、このままでは埒が明かない。一旦荷物を置かせて先ほどと同じようにテーブルに着いた。

「ルーチェ、キミ住み込みだと思ってたの?」

「弟子入りってそういうものだと……」

「そう……」

 勢いがすごいのは端から分かっていたことだが、まさか思い込みも激しいタイプだとは。せめてその思い込みの片鱗でも見えていれば先手を打つことが出来たのだが、生憎魔法はそういった類いの便利能力ではない。部屋はないわけではないが、いかんせん物置と化している。ベッドの類いもないし、今日すぐにというのはどっちにしろ厳しい。というか住み込み前提で考え始めてしまっていたが、今からでも通いにさせればいいんじゃないのか。

「住み込みでって言っても、教えてやれるのはせいぜい数時間だよ。だったら、通ってきて他のことした方が有意義じゃない?」

「オスクさんの仕事を見て学べることもありますよね?」

「うぅん……そもそもキミは稼ぎがないでしょう。生活費を全額まかなってはあげられないよ。授業料を取りたいくらいだから」

「それなら大丈夫です!」

 ごそごそとリュックを探って取り出したのは分厚い封筒だった。おそらく銀行の封筒であろうそれを見て嫌な予感がした。

「これ! 授業料としてもらってください! 足らなければすぐには無理ですけど用意します!」

 十六歳の青年が必死で稼いだ大金。ルーチェがどれだけ本気なのかは見て取れた。恐らく言いぶり的に彼の全財産に等しいお金だろう。正直、住み込みを回避するために言ったことだ。生活にも困ってなければ余裕もある。そんな中で子どもから大金巻き上げたとあっては面目が立たない。差し出された封筒を一度手に取ってテーブルに置く。

「街に出る用意して」

「え」

「物置部屋しかないけど、それでもいい?」

「もちろんです!」

「それから」

 テーブルに置いた封筒をルーチェに突き返し、じっと彼の顔を見つめた。

「これは受け取らない。将来、立派な魔法使いになってこの倍の額払って」

「そ、それって……」

「出世払い。子どもからこんな金額受け取れるか」

 視線をうろつかせながらもほんのり上がった口角を見せるルーチェを軽く睨む。緩んだ表情は何かを言いたげにしているけれど、さっさと立ち上がって街に出る準備を始めた。

「あ、でも!」

 ルーチェが機嫌良さそうに声を掛けてくる。それを振り向きもせず聞いた。

「オレもう成人なんで、一応子どもじゃないですよ!」

「十代なんてまだガキでしょ。それともなに? 撤回しようか?」

「あっ! ウソウソウソ! すいません余計なこと言いました!」

 ほんとにな。と言いながらウッキウキのルーチェを見つめる。やっぱり膨大な魔力が垂れ流されている。街なら大丈夫だろうが、これの対処も考えないといけないな、とぼんやり思った。


 街で寝具やその他必要な物を買いそろえて家に戻る。今日はただでさえ朝から疲れていたのに、こんな重労働になるとは。簡易的にではあるが、物置部屋にスペースを作り、一晩しのげるくらいには仕上げてようやく一息ついた。その後、適当に買ってきた晩ご飯を食べながらルーチェの話を聞く。街で見た猫が可愛かった、前に働いていたカフェが雰囲気最高だから今度行ってみて欲しい、今日買った布団は寝心地がすごくよさそうだ、なんてそんなとりとめもない事をひたすら喋っているルーチェに思わず笑いが漏れる。

「元気だね」

「あっ、すいませんうるさかったですか」

「いや、今までが静か過ぎただけかな。新鮮で面白いよ」

「寂しかったですか?」

 何の含みもない純粋な疑問。そこには悪意も憐憫もない。だからだと思う。

「そうかも」

 何の気なしに認めてしまったのは。けれど、それに対して何か言うでもないルーチェに少し意外な心持ちだった。底抜けに明るい彼のことだ。なんだかんだと言ってくるんじゃないかと思っていたのに。分からないものだな、なんて。当たり前のことを思いながら、まだまだ続くルーチェの話に耳を傾けるのだった。


 目が覚めると、すでにルーチェは活動を開始していたようだった。何をするでもなく背筋を伸ばして座っている姿を見て、首を傾げる。

「おはよう。何してるの?」

「おはようございます! 特になにも……? 強いて言うならオスクさんが目覚めるのを待ってました」

 そう言われてはたと気付く。この家にルーチェが時間を潰せるものがなにもない事を。ましてや他人の家。勝手に物色することもはばかられたということだろう。

「起こしても良かったのに」

「いやいや! オレもさっき目が覚めたところなので!」

 変なところで遠慮する子だ。恐らく数時間前には起きていたであろうことには突っ込まず、朝ご飯の用意をする。

「キッチン、好きに使っていいよ。あと、暇で仕方なければ掃除とかしてもいいし」

「ありがとうございます」

「あと、そこの本棚。わたしの好みの物しかないけど好きに読んで」

「分かりました!」

 大げさなほどに元気よく頷いたルーチェはにこにことしながら用意した朝ご飯を頬張っていた。


 朝ご飯を食べ終えてさっそく修行を始めることにする。まずはルーチェの魔法の腕前を見せてもらおうと家の前に出た。

「使える魔法ある?」

「練習してたのはあります!」

 気合い十分で拳を握るルーチェにやってみるように促し、見守る。目を閉じて呪文を唱え始めた瞬間、ルーチェが纏っていた魔力がゆらりと揺れる。

「”炎の精霊よ。我に力を与えたまえ。大いなる火球となりて、万物を穿て!”」

 ルーチェの手のひらに魔力が収束し、強く発光する。そして、集まった魔力が膨張した。

「ファイヤーボール!」

 かけ声とともに 膨張した魔力が放たれるかと思いきや、そのまま膨れ上がっていく。ルーチェ自身もどうすればいいのか分からないらしく目を白黒させている。恐らくこのままだと暴発して危険だ。膨れ上がった魔力に向かって手を伸ばし、短く声を発する。

「散れ」

 その言葉に呼応するようにルーチェの魔力は霧散した。危機を脱したことを察知したのかルーチェが尻餅をついて座り込む。

「大丈夫?」

「す、すいません……」

 まさか魔法初心者が攻撃魔法を使い始めるとは思いもしなかった。もしも使えるのであれば教えることはないと伝えるつもりだったが、こんな危険な状態でなにを練習していたというのか。

「キミ、練習で大火事起こしてないだろうね?」

「そもそも魔法が発動したのが初めてで……」

「あーそう。とりあえず、攻撃魔法は魔力のコントロールがかなり重要になる。今のキミじゃあ確実に使えない。基礎から始めるよ」

 へたな魔法使いよりも魔力量が多いだけに、一度発動してしまえば暴発は免れない。肩を落としたルーチェに基本の魔法を教える。

「手に魔力を集めるイメージで、光を作って」

「えーっと……」

 右腕を伸ばしたルーチェは眉間に皺を寄せて力む。しかし、魔力の流れは起こらず、ただただ唸っているだけになった。

「詠唱したほうがやりやすいならそれでもいいから。ほら、見てて。”光の精よ。我に力を与えたまえ。光源となりて行く先を照らせ。ライティング」

 久々の詠唱に新鮮さを覚えながら、手元の光を適当に弄ぶ。本来であれば別になんの詠唱も必要ないのだが、初心者すぎるルーチェには丁度良いだろう。

「できそう?」

「やってみます……!」

 表情を硬くしたルーチェが気を取り直して右手を前に突き出す。先ほどわたしがしたように詠唱を始め、魔力を集める。

「ライティング!」

 声が聞こえた瞬間に、視界から色が消える。数瞬後にルーチェから放たれた光であることを理解した。明るすぎて白んだ視界に頭を抱える。これ、思った以上に大変なことかもしれない。

「おお! 魔法出た!」

「いや違う。何を成功した風な反応してる。見てたよね? わたしの見本見てたよね?」

「あっ、えっと……そのぉ……」

 胸の前で手を組んでごにょごにょ言っているルーチェに一つため息を落とす。これは最初の課題が決まったな。

「わたしがさっき見せた通りの光を出せるようになるまで他の魔法の使用は禁止。いいね?」

「え、でも……」

「でもじゃない。さっきのファイヤーボールだってわたしが止めてなかったら確実にキミ死んでたからね? 焼死体になるのが嫌なら言うこと聞きな」

「わかりました……」

 しょんぼりと肩を落としたルーチェだったけれど、それ以上の口答えはせず頷く。その後はひたすらに反復練習を続け、魔力切れまで辺りを散々光らせ続けたのだった。


「……つかれた」

「はい、お疲れ様。成功率は?」

「ぜろですぅ……!」

「はは。知ってる」

 練習しておけと家に戻って週末のための仕込みをしていたが、何度窓の外が光り輝いたか知れない。日が落ちるまで延々とやり続けられる魔力量はやはり脱帽ものだけれど、今はこれを続けさせるしかなさそうだ。

「晩ご飯作ってあるから、食べようか」

「はい……」

 小さく縮こまったルーチェをなだめて晩ご飯を食べる。昨日の元気さはどこへやら。気落ちしているルーチェを眺めながら明日の予定を考えるのだった。

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