ファンタスティック吉田

天野 みろく

第1話 目覚め

引きこもり歴20年。どうも、吉田です。


ある事がきっかけで引きこもる事20年…

気がつけば両親も年老いて来ていた…


随分長い間迷惑をかけてしまった。


ここらで20年以上の親孝行せねばと勇気を振り絞って社会に飛び出す事に決めた。


えっ?何でそんな長い間引きこもりしてたのか?


その理由は後に書こうと思う。


引きこもりといっても社会と断絶していた訳では無い。今はネットの時代。


ネット上の友達は沢山いるし、ある程度世の中の事も把握している。


勿論、衣食住、パソコンやら何やら両親にお世話になった物である。


今まではそれが当然…だと思っていたのだ。


だか、年老いていく両親の姿や時折見せる悲しげな表情…


そんな両親を見ていくうちに我に帰ったのである。


20年もかかってしまったが…


まぁ色々と意見はあると思うが俺の話しを聞いてくれ!


とにかく両親に親孝行すべく社会に飛び出す事に決めた。


先ずはバイトから始めようと思う。


パソコンで求人情報を検索する。


なになに、コンビニかぁ…時給…

や、安いなぁ…


日雇いかぁ…建設現場…きつそうだなぁ…


あれやこれやといちいち文句をつけ気がつけば夜中を過ぎていた。


また明日探す事にしよう。


典型的なダメ人間だ。

何でも良いから早く働かなくてはとの思いと、ゆっくり良い職を探そうとと言う思いが行ったり来たり…


やはり長年引きこもったせいでなかなか行動に出ない。


でも引きこもりを脱却し、働く決意をしたのだ。先ずは自分自身を褒めなくては。


『コイツ、考えが甘いな。』


と言う声が聞こえてきそうだが、他人の意見なぁんてどうでもいい。


さすが俺。ファンタスティック!


続く







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