プールの水音と太陽の匂いが混じり合う、穏やかで幸福な現在の情景。その鮮やかな《瞬間》の描写から、一気に物語の奥深くへと引き込まれました。
現在と過去が美しく交差する構成の中で紐解かれていくのは、幼さゆえに好きな子を傷つけてしまった後悔や、命懸けで守り抜こうとした青い熱量です。それらの感情が、生々しい質感を持って胸に迫ってきます。
結婚して親になっても、あの頃の「好き」という感情が消えないまま笑い合える。そんな彼らが辿った「決して壊れなかった関係」の美しさに、読後は温かくも切ない、極上の余韻に包まれました。
子どもたちへと語り継がれていくこの愛おしい軌跡を、ぜひ多くの方に見届けていただきたい傑作です。
恋愛ものかと思って読み始めると、突然魔法要素が出てきて驚きました。今のところ、魔法要素はあまり前面に出ていませんが(もう少し世界観を描写しても良い気はしました)、この先大きく物語に絡んでくるんでしょうか?
物語そのものは、三角関係の学園恋愛ものです。三角関係の一辺がアメリカに行ってしまっているので、別の意味での緊張感がありますね。三人の関係がどのようになったかは、冒頭ですでに示されているので、これからそこへ向けて、どう三人の関係が変化するのか、そこが楽しみです。
また、科学捜査がどうこうというような要素も入っているため、そこが物語にどうかかわるのか、色々な読み方を楽しめる作品だと思いました。
女の子は、いつだってプリンセスだ。
プリンセスには王子様が必要で、それも1人とは限らない。
たくさんの王子様がいたって、困らない。
我らがお姫様は、最後には必ず1人に決めるのだから。
だからこそ本作は、少女マンガを耽溺する読み手にぜひ読んでほしい。
本作は、現代世界に魔法というスパイスを加えた恋愛ドラマ。
主人公はハナ。そしてこの少女の友であるミツとレン。
この3人は、子どもの頃からなかよしだった。
1人の女の子と、2人の男の子。
友情とその向こうにある、マーガレットの花言葉のような関係。
絆という名のりぼんで結ばれた3人。
だけど、ひとりの男の子は、自分の夢に向かって旅立っていく。
残された女の子は、もう1人の男の子や、新たに出会う仲間たちと友情を深めていく。
それは、おとめ座で一番輝く星、スピカを目指して一歩ずつ大人の階段を登るような旅路だ。
でも、その旅路はけして順調ではない。ある事件で、ハナは心に深い傷を負う。
その痛みを癒したのは、言葉ではない。心からのKISSだった。
注意してほしいのは、本作は、ただのラブロマンスじゃないことだ。
多様な伏線。一筋縄じゃないキャラクター。絡み合う人間関係が、奥行きのあるメロディを奏でている。
ときに深く静かに、ときにはなばなしく物語は進む。
そんな世界を、右に行ったり、左に行ったり、境界上を揺れ動くハナ。
でも、最後には、ハナが自分が納得する花束を手に入れる。
これは、そんな女の子による、女の子の為のビルドゥングスロマン作品だ。
クッキーでも口にしながら、毎日ちょっとずつでも読んでみてほしい。
ハナと一緒に、楽しければ笑えばいいし、悲しくなれば泣いちゃおう。
きっと、明日から元気になれること請け合いだ。
※本作には少しショックの強いシーンもあります。苦手な方は注意してください。