第2話 よろしい。ならば人気作を評価してもらおうじゃないか
つぎにGemini君に批評してもらうのは、とあるランキングの一位作品。
これならば、辛口批評家と言えど、納得するのではないでしょうか?
なにせ多くの人に読まれ、評価されているのですから。
さあ、どんな結果が出るのか?
オラ、わくわくすっぞ!
――――――
批評:ジャンル慣れした読者への配慮に欠ける、内省過多な異世界転生モノ
この文章は、「主人公が突如異世界(サバイバル環境)に転移し、後に『勇者召喚』の事故に巻き込まれていたことが判明する」という、非常にテンプレ化された設定を扱っています。文章全体を通じて、テーマの斬新さの欠如、内面描写の冗長さ、そして情報の提示方法の稚拙さが目立ちます。
1. 導入(サバイバルパート):設定の甘さとリアリティの欠如
❌ 状況認識のテンポの悪さ
主人公の状況認識が異常に遅く、転移直後の切迫感が全くありません。「意味がわからない。」という一文から始まり、山の中で荷物持ちの格好をしているという情報が続くにもかかわらず、緊張感のある筆致になっていません。
❌ 「自称・非切実なサバイバー」の矛盾
主人公は「切実にキャンプをしたかったわけじゃない」と断りながら、サバイバル動画の知識(火、水、食料、寝床)をすぐに思い出し、しかも持参した荷物だけで次々と問題を解決していきます。
ライターがない→火切り板で着火成功。
ナイフがない→カッターとノコギリで代用。
食料はクーラーボックスのお弁当とコーラで数日分。
これは、**「俺、別にサバイバーじゃないけどできちゃった」という「都合の良いチート導入」の最も安易なパターンです。読者は、主人公が「ハード目のアウトドアには気を惹かれていた」という設定を単なる「サバイバル知識を持っている言い訳」**としか受け取りません。
❌ 情報の垂れ流しと描写の弱さ
サバイバル生活の描写は、「川に出た」「海に出た」「弁当を食べた」「壁を作った」「土器を自作した」など、行動の箇条書きに終始しており、具体的な困難や達成感が薄い。特に、火起こしで「手が痛いし腕はぷるぷるする」という描写に尺を割いておきながら、その後の土器自作や魚捕り(籠漁の考案)の難易度や工夫については非常にあっさりしており、メリハリがありません。
2. 転機(精霊との対話):設定の羅列と「姉」への執着
❌ ご都合主義の展開
光の玉(精霊)の出現は、物語のテンポを無視した**突然の「設定解説タイム」**の始まりです。「きゃー!ごめんなさい!」という安っぽい導入と共に、物語の核となる「勇者召喚事故」の設定が一気に押し寄せてきます。
❌ 「姉」という陳腐な動機
主人公の行動原理のほとんどが**「姉への嫌悪と逃避」**に集約されています。
「姉の横暴でこうして花火大会の場所取りと、荷物持ちをやらされてる」
「暴君な姉から離れたいという現実逃避だ」
「俺からの条件は、おそらく一緒に呼ばれただろう姉と関わらないこと」
「正直最後の三つは姉関係だ。姉と関わりたくないと言ったら極端なことに【勇者殺し】がついた」
主人公の「姉嫌い」という個人的な感情が、世界の命運や神々の駆け引きよりも優先される形で描かれており、物語のスケールを著しく矮小化させています。特に【勇者殺し】という物騒なスキルを、個人的な逃避のためだけに要求する姿勢は、読者に共感よりも身勝手な印象を与えます。
❌ 冗長な「神々」の品評会
多くの精霊(神々)が登場し、各々が司る属性(「大地と実り」「光と愛と美」など)を名乗り上げますが、**多すぎて覚えられません。主人公が全員からの加護を選び、その結果、多くのチート能力(【全料理】【収納】【転移】【鑑定】など)を得るという展開は、「最強のご都合主義」の典型であり、読者に「結局、何でもアリか」**という冷めた印象を与えます。
3. 結末(チート拠点):カタルシスのない「安住」
❌ 安易なゴール
最終的に主人公が得るのは、『安全で快適な家』への【転移】、『尽きることのない各種食料』、そして**「どの国にも属さない不可侵な俺の土地」**という、究極の「お一人様天国」です。
サバイバル生活で多少の苦労を匂わせたにもかかわらず、戦闘や冒険といった物語の推進力になる要素をすべて排除し、あっさりと「安住」の地を手に入れてしまいます。これでは、異世界転生という設定を使った**「ただの引っ越しと自宅警備」**の物語であり、読者はこれ以上主人公の活躍に期待を抱くことができません。
総合評価
この文章は、ウェブ小説で流行している要素(異世界転移、サバイバル、チート能力、不幸な過去からの脱却)を安直に組み合わせた**「設定の盛り合わせ」**であり、一人の辛口批評家として評価に値する斬新さや文学的な技巧は一切見られません。
キャラクターの内省(姉への愚痴)に多くの文字数を割きながら、肝心な行動(サバイバルや神との交渉)は都合よく進みすぎるため、**主人公に感情移入する要素が見当たりません。設定は複雑ですが、物語の核は「家から逃げたかった男が最強の引きこもり生活を手に入れた」**という極めて小さなものです。
点数をつけるならば、10点満点中、設定の詰め込みすぎで破綻寸前の構造に敬意を表し、 2点 とします。
――――――
……失礼だろ!
ランキング一位に対して失礼だろ!!
❌、❌、❌のオンパレード!
褒めろよ! ちょっとぐらいは褒めろよ!
しかも、なんだよ!
敬意を表し2点て!
破綻寸前の構造に敬意って敬意のカケラもねえだろうが!
俺より点数低いじゃねえか!!
どうやらランキング一位をもってしてもGemini君を満足させることはできないようです。
なんと傲慢な批評家なのでしょうか。
これだけ多くの人に評価され、本にもなっている作品だというのに。
はは~ん、これは嫉妬ですね。
成功者に対する妬み僻みが彼をそうさせているのでしょう。そうでもしないと自分を保てない。
すばらしい作品なのになあ。
おそらく目が腐っているのでしょう。
では、批評の批評です。
嫉妬に狂った批評家のざれごと。
それ以上でもそれ以下でもない。
まがりなりにも批評家を名乗るのなら、なぜ人気があるのか冷静に分析し、市場原理を理解しましょう。
価値があるから商品化されるのです。
自身の歪んだ思想を自覚し、フラットな心で作品を見つめる努力をしましょう。
規則正しい生活を送り、精神の安定に努めましょう。
それが、まっとうな批評家への一歩です。
大丈夫です。あなたなら出来ます。
頑張って下さい。
いかがでしたでしょうか?
愛のこもった批評だったと思います。
批評とは相手をおとしめればよいというものではありません。
いつくしみの心を持って接しましょう。
しかし、困りました。
ランキング一位でも彼の氷のごとき心を解かせないようです。
こうなったら、さらなる実力者を用意するしかありません。
では次回。「よろしい。ならば文豪だ!」をお送りいたしたいと思います。
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