3年目の夏
くらり
第1話 出会い
7月21日学校のイベントで彼女と出会った。
一つ結びの髪型に、友達と話すときの笑顔、話しかけてくれた時に心を奪われた。
7月21日
高校ではスポーツクラスに所属している蓮は、朝早く起きて学校に向かった。
地域交流を目的として学校で開催される「スポーツフェスティバル」の当日を迎え、張り切って学校に到着。これまで企画・運営をしてきた蓮にとっては待ちに待った本番だった。まずはグラウンドの荷物を片付けることからスタートした。
蓮はアメリカンフットボール部だったが、ほかにも女子サッカーと女子ラグビーもいて、入学してすぐの一年生から慣れ親しんだ顔の3年生まで大人数でフェスティバル開催の準備に取り組んでいた。
フィールドの端にある小さなサッカーゴールに気付き、足を運ぶ。片づけたいのだが一人じゃさすがに運ぶことは難しいと思い誰か来てくれるのを待っていた。
鋭い直射日光を浴び、汗をかいている蓮のもとに彼女はきた。
「手伝います!!」
明るい声で第一声を発した彼女のことを自分は知らなかった。
「ありがとう1年生の子かな?」
「そうです!きょうめっちゃあついですよね....」
気まずくなるのは嫌だったので、ゴールを運びながらも話した。
案外話しやすく、すらすらと会話が続いた。少し落ち着いたくらいに改めて顔を見た。
背の低い自分を軽く越す彼女の笑う顔がとにかく可愛い。もう少し話していたいと思いながらも、フェスティバルの準備はまだ始まったばかりだったこともありすぐに分かれた。
「ありがと手伝ってくれて。今日一日頑張ろうね」
先輩らしくちょっとカッコつけたようなことを言った。
「はい!がんばりましょう!」
彼女も後輩らしく気持ちのいいほど元気な声で返した。
ただ、先輩と後輩が話しただけのこの時間から物語が動き始めた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます