いくつもの点景のように在るエピソードが繋がって、不思議な印象を形づくる物語です。
〝え、そうなの?〟
そんな驚きがあるのです。
悟と狗尾の成り行きを追ううちに、作者の過去作が垣間見えたり。とんでもない存在が出てきたり。
前提や進行、伏線や展開といった理屈の連なりではなく、感性により接合された事象たち。
あたかも詩のような文章の組み方でできているのです。この物語は。
これが心地よいと思う読み手の方には本当に煕めます。
テンプレにも凡百な文章構成でもない物語がここにあるのです。
覗いてみて損はないですね。きっと。