第12話 オシリアスの海
相変わらず、気温と気候が目紛しく変動を続けている。
さながら、超ハイスピードカメラで観る星空の様に
空の景色も大地も繰り返し変動している。
「じゃあね〜オッシ〜さっ、オシリアスの海にレッツゴー!」
大魔女ユーシィがてを上げ先に進もうと歩き出すと
「あの・・・・・・私、ここで待ってます」
「ええっ!?な、なんでえ!?」
不死の少女の発言にピタリと足を止めて驚愕の表情で振り返るユーシィ。
「だって、浜辺は"ここ"みたいに特殊な気温じゃないんですよね?」
「そ、そうだけど・・・・・・」
「なら、残ります、まだ此処に居たいので」
「そっかぁ・・・・・・残念だなぁ・・・・・・海に入れば猛毒歯の怪魚に、電撃を操る二本角の大怪魚に刺激すると魔力砲を撃つイルカに会えるんだけどなぁ・・・・・・」
「ユーシィさん」
ユーシィが独り言を言いながらとぼとぼと歩き出すと、次は少女がユーシィを呼び止める。
「なぁに?」
「その魚って襲いますか?」
「うん、ちょっかいかければね」
「やっぱり着いて行きます!!!!!」
「うん!君の手懐け方はよーく分かったよ〜」
不死の少女は先程とは打って代わり、目をキラキラと輝かせながら前言を撤回した。
【痛み】を悦に感じるあまり、自傷行為で死亡し、不死として転生する直前、不死になっても【痛覚】は残して欲しいと注文する程、あらゆる激痛が好きな不死の少女は、当然・・・これから受けるであろう重傷にワクワクと胸を踊らせるのであった・・・。
少女と大魔女が去り、残った魔神は、ひとりボヤく。
「な・・・・・・なんなんだアイツらは・・・・・・・・・」
――――――――――――――――――――――――――
「じゃーん!これがオシリアスの海でーすっ!」
灼熱極寒の地から何歩があるいた所で、まるで世界が分断されているかのように真っ青の空と白い雲そして、広大に広がる海が不死の少女の目に映った。
少女は生前、家族と行ったオーストラリア旅行で目にした海の景色を思いだし、歩きながらしみじみと懐かしんでいる。
「久しぶりに見ました・・・こんな、広い海」
「キミが前に生きてた世界にもあったの?こうゆう景色」
「はい、でも、私が生きてた世界は人が沢山いて騒がしかったです」
「うげー、アタシ、人間多いの苦手なんだよね〜一応アタシも人間だけどさ・・・・・・」
「ふふっ、分かります、だから前世の頃はこの景色をあまり良いと思えなかったんです、でも、こうやって誰も居ない波音だけが聞こえる状態で見ると・・・・・・」
「なかなか乙でしょ〜、アタシも昔、新魔法の開発で行き詰まってた時に気分転換で見に来たんよ」
「その時も、オシリアスさんと?」
「あぁ、そもそも、オシリアスを殺さないと浜辺への結界が解けないからね」
「ユーシィさんなら、戦わずに魔法で解いたり出来ちゃうんじゃないんですか?」
不死の少女は昔、ファンタジー本で見た魔法を暴く呪文をイメージしながらユーシィに聞く
ユーシィは問いに首を横に振り答える。
「いいや、こればっかりは無理、単純に【結界】なら簡単に解けるんだけど、ここの【結界】は世界どころか、宇宙レベルの法則で張られてる魔法式なんだよね、"決められたやり方"でしか解けないんだ、この世界に"存在している者"は【例外】無くね」
「へぇ・・・・・・」
「・・・・・・よくわかってないっしょ」
「ま、まぁ・・・」
「いいよ、キミはこの世界に来て間もないんだから・・・・・・・・・・・・あっ・・・・・・」
「どうしました?」
「キミさ・・・・・・・・・名前なんて言うの?」
「えっ・・・・・・今更・・・?」
「ごめんごめん!聞くタイミング逃しちゃって」
「アヤノです」
「アヤノね、わかった!」
「別にもう今までの様に「キミ」で良いですよ?それに、私もユーシィさんに名乗り忘れていたので(オシリアスさんには先に名乗ったけど)」
「そう?じゃあ、とりあえずアヤちって呼ぶね」
「あ・・・アヤち・・・・・・??」
「じゃあ、アヤちまずは何に襲われたい?」
「え?」
「この海の怪魚の攻撃、受けたいんでしょ?」
話している間に、2人は浜辺に到着していた。
「それなら、まずは電撃を受けたいです」
「おけ、ちと待ってね〜」
ユーシィはローブの内小物入れから左目にモノクルを装着し、海を凝視する。
「うん、近くを泳い出るからここからでも刺激したら襲いかかってくるよ〜ほれっ」
ユーシィは杖を取り出すと杖の先から白い閃光を海の何処かに向けて射出した。
射出された白い閃光が海内に消えたかと思えば
海面に幾つもの黄色い電撃がバチバチと走り
その刹那に、アヤノとユーシィが立っている方へ海から巨大な電撃が一閃に駆ける!!
もっと「痛み」を感じたくて異世界で不死になりまして! @Nijifan2525
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