第4話 出会い 03
「ごめんなさい・・・へへっ・・・つい・・・気持ちよくって・・・・ひひっ・・・・・・」
ついつい笑みが零れてしまう、生きたまま極上の【痛み】を味わえるなんて・・・
なんて、今日は良い日なんだろう・・・
「き、気持ち良い・・・?」
女の人は眉を顰め、明らかに奇怪な物を見る目をしている。
それもその筈・・・
だって、【痛み】で喜ぶなんて""普通の人""からしたら気味が悪く見えるのは""仕方の無い事""だろう。
その事を、私は17年間生きてきて等に気づいている。
「私・・・痛い目に合うと気持ち良くなっちゃうんです・・・」
身体に残留する痛みが薄れ、少しずつ快楽による酔いが醒めてぼやけていた視界もハッキリして来た。
「キミさ・・・・・」
私に奇怪な物を見る目を向けていた女の人の視線が下へと向いた。
やはり、気味が悪過ぎて私と顔も合わせたくないのかな?
思えば、生きていた頃は恍惚と快楽に溺れるぐらいの【痛み】を感じる事が無かった
だから、今まで私がどんな顔をしていたか、自分ではわからないし、鏡が無いから確認も出来ないけれど
そうか・・・私って【痛み】に溺れると顔も合わせたくないぐらい【醜い顔】になってしまうのか・・・
「ぷっ・・・くくっ・・・あはははははは!!」
顔を下に向け俯かせていた女の人は肩を少し震わせたかと思うと、お腹を両手で抱えながら爆発するように声を上げて笑い出した。
「き・・・キミ・・・!面白いね!!ほんっとーーに!!ふふっ・・・・あはははは!!」
「お、おもしろい・・・?」
「ご・・・ごめんごめん!君があまりにも面白いから・・・ひひっ・・・」
「・・・わ・・・笑いすぎじゃないですか?」
自分がおかしい事は自覚しているつもりだけれど
こんなに笑われたのは初めての事だ。
「いやぁ・・・私も長いこと生きてきたけれど、キミみたいな""面白い存在""に久しぶりに出会えたものだから嬉しくってね・・・!」
お腹を抱えながら笑っていた女の人は手で目に浮かべていた涙を拭うと、息を吐いて呼吸を整えると。
「改めて・・・さっきはマジごめん!!」
いきなり両手を合わせて私に向かってぺこりとあやまった。
「ええっ?何がですか?」
私は唐突な謝罪に思わず面食らってしまう。
謝られる事なんて・・・
いや・・・そういえば・・・冷静に考えたら・・・・・・
「あ・・・ああ・・・も、もしかして・・・私の頭を・・・」
「うん・・・吹っ飛ばしちゃって・・・いやね・・・私も悪いと思ったんだよ〜でも・・・知的好奇心に逆らえ無かったというか・・・なんと言うか・・・」
「私が不死身じゃなかったらどうしたんですか?」
「うーーん・・・考えてなかったかも 」
酔いが完全に醒めたようで。
ようやく、冷静になって思った事がある。
この人・・・結構ひどい人じゃない・・・!?
「か、考えてなかったって・・・」
「ま・・・生きてたから結果オーライって事で!」
結果オーライって・・・
いや、でも・・・彼女が私の頭を打ってくれたおかげで
私は""昇天しそうな程""の痛みを体感できた訳だし
結果オーライと言えば、結果オーライな気もするけど。
「おっとそろそろかな・・・」
女の人は横たわっているハイグリフの死体から刺していた注射の様な器具を抜き取った後、目の上まで掴み上げた器具を揺らしながら中に入った血液を少しの間眺めて
「よし!良い材料が取れたぞぉ・・・ふふっ・・・ぐふふふふっ」
と、ニヤけながら呟いた
まるで、アニメで出てきたマッドサイエンティストの様な不気味さで。
女の人は目の上に掴み上げて眺めていた器具をローブの中にしまった後、器具に向けていた視線を私に向けると
「頭を魔法で吹っ飛ばした""お詫び""と言ったらなんだけど…ウチくる?あんま〜いミルクティーと少し塩気のあるクッキーをご馳走するよ」
クッキーか・・・この人が何者かわからないし、怪しい雰囲気を漂わせてはいるけど・・・・・・
「えっと・・・出来れば砂糖は控えめがいいです・・・」
「ふふっ、りょーかい!そんじゃあ・・・」
「えっ?」
数メートル先にいた筈の女の人と私の距離が一瞬にして縮まった。
いや、女の人が私の至近距離まで一瞬で移動したのだ。
「行こっか!」
女の人が・・・いや・・・今思い出したけど、私に名前を名乗ってくれていたな・・・確か・・・ユーシィだっけ
ユーシィさんが私の肩に手を置いた
すると・・・次に瞬きをした直後、視界に映る景色が湖と少し霧の掛かった景色から実験で使うフラスコやシリンダーに似た容器が並ぶ部屋の中の景色へと変わっていた。
「えっ?」
一瞬の出来事で呆気に取られている私の前で
ユーシィさんは両手を広げながら言葉を放った
「ようこそ!!魔女ユーシィの工房へ!ちな、私が工房に入れたのは、キミで【三人目】ね」
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