静かな喫茶店の日常に、矢上の“元傭兵”としての過去が時折にじみ、穏やかな空気の裏にある緊張感がほどよいアクセントになっている。誘拐事件を境に物語はテンポよく進み、アクションは派手さよりも動きの必然性が強く、訓練を積んだ人間らしい説得力のある描写が印象的。また、ときおり主人公が“物語そのもの”にぼやくような語りが入り、読み手にくすっとした余韻を残している。救出後、少しずつ心を寄せていく二人の関係も心地よく、「続きを読みたくなる序盤」に仕上がっている。
提示されている設定を、ほぼ忠実に入れている作品です。企画に対する敬意を感じました。
決められたプロットで自分らしさをアピールする難しい挑戦に、最高の答えの1つを提示しています!しっかり「スノードロップ」を組み込むあたりの流石の力量!是非とも読んでみてください!