第19話

数か月後。

 湊は結衣を公園に呼び出した。春の桜が咲き始めていた。


「結衣。俺はずっと自分に自信がなくて、周りに流されてきた。でも、今は違う。お前と一緒に未来を歩きたい」


 そう言って、小さな指輪を差し出した。

 結衣の目から涙が零れ落ちる。


「……やっと言ってくれたね」

 彼女は震える声で答えた。

「私も、湊と生きていきたい」


 二人は静かに抱き合った。

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