第18話
湊は結衣への想いを再び意識し始めていた。
けれど、過去に彼女の告白を受け止められなかったことが、今も心に重くのしかかっていた。
(また同じことを繰り返したら……結衣を傷つけるだけじゃないか)
そんな迷いの中で、彼は仕事に没頭した。
しかし、原稿を抱えて徹夜するたび、思い浮かぶのは結衣の笑顔だった。
冬の夜。
湊と結衣はイルミネーションの街を歩いていた。
「結衣……」
「なに?」
「高校のとき、俺……お前の気持ちに応えられなかった。本当に、ごめん」
結衣は静かに首を振った。
「もういいよ。あのときは私も子どもだった。でもね……湊のこと、やっぱり忘れられなかったの」
その瞳の奥に、かつての切ない想いが確かに宿っていた。
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