第5話

翌日から三人の関係はぎこちなくなった。

 結衣は普段通りを装うが、どこか無理をしている。琴葉は湊に近づこうとするが、結衣の存在にためらいを覚える。


 そんな中、透が湊に声をかける。

「なあ、お前さ……ちゃんと向き合ったほうがいいぞ」

「向き合うって……」

「誰かを傷つけたくなくて黙ってたら、みんな苦しむだけだ」

 透の瞳は真剣だった。

「俺は琴葉のこと、仲間としては大事だけど……恋愛感情はない。だから安心しろ」


 その言葉が湊の背を押した。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る