第5話浮かばれない、私とか

悪い状況に陥ると、悪化はあっという間に底まで落ちる。


私ごときのプライドも、経験も、成功体験もなんにも。


首が回らないようになると言うけれど、見られる場所も、居られる場所も会える人も皆。

あっという間に逃げた場所に元通り。


私が離れたかった人たちは、変わらないを繰り返し働いているのに、働けなくなって滞った私より借金まみれになっていて。


あいも変わらず。

自分の壊したことから目を逸らし、私のせいで家計がと、今日も今頃、私が出かけた後の部屋の扉前で。


呪の呪文をとなえているんだろう。

復活ではない、固定の呪文。

離れない様に、出来ないままのように、変わらない様に。


それはあなたと同じ人生、て意味で。

借金と半額引き惣菜パックと、サスペンスホラーの悲鳴とスプラッタ音にのめり込む生活?



いやあ、浮かぶ未来が見えないわ。



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