玄関と冬

足が味を覚えてる。

捨てられたご飯と味噌汁塗りし床の、

なまあたたか、から、ひえるまで。


足が味を覚えている。

冷えたコンクリートの、ね。上をね。

裸足を乗せたあの痺れる、冷えを


なんだっけね。


なんか悪いことしたんよね、たぶん。

玄関扉の金属も、よるの、いきのしろさも。

出されて、いれてと泣いた反響かえる団地住み

諦めて眺めた街の灯も、また、


よせばいいの、に。

あたたかそう、だったんだよな。

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