第6話 違いの詩は排除と享受だけの二択じゃない
たどり着いた最初の
自然に
最初の街にたどり着いて
この街の人間は、よそ
そんな街の様子に
エルフだからと
そして強い
けれどそれを止めたのはバルドだった。
ブレイブは
「種族の違いは悪いことじゃないんですよ」
「そうだね。王都では良くしてもらったし、僕もそう思うけど……同じくらい種族の違いゆえの
「仕方ないことですか?」
「うん。この街に長く暮らしているのは、この街の人達だ。
「けれど、私は不服です。私の妻にたいしてあのような
「ふふふ、そうだね。ブレイブのその考え方や気持ちを
困ったように
「でも、僕だってエルフの森に
「でもあなたはあんなに
「それは考え方や
「怖いから
「ブレイブ、僕は攻撃されてると思ってないよ。
「でもあなたを
「うーん。こうも
「私はしません。全然すがやかじゃないし、この街から
「ふふふ、君も態度に出ちゃってるじゃない?」
「
「街の人達は君には悪い態度じゃないでしょ?」
そう、街の人間はよそ者を嫌っているが、王都のギルドに
街の人間たちが、よそ者だと思っているのも、
だからこそバルドもこんなにも
ブレイブは
「それが一番腹が立ちます」
困ったね、とバルドは
ブレイブはバルドの気持ちを
そろそろこんな場所こちらから
ブレイブの
この街に魔獣が
街に魔獣が現れること
ブレイブが向かえば、一瞬で終わることでもある。
けれど
ギルドからの
この街の人間はブレイブの
この状況で動かないブレイブのことを誰も
魔獣を目にした街の人間が
王都からそう離れてはいないとはいえ、この街はただの田舎町。
戦える者はほぼいない。
その
その魔獣相手でも
二人がたどり着いた最初の街は、魔獣の
魔獣が街の中心で
まだ人間が傷つけられていないのが唯一の
ただ
そんな彼らに
魔獣はその少女の
少女の親が
そんな悲鳴には目もくれず、
魔獣に
少女は、外に飛び出してしまった自身の家族を助けようと
少女は魔獣を前にして
誰もが絶望に
少女と魔獣の間に立ち、少女を守る者が現れた。
それは少女の親ではなかった。
「僕の
ブレイブとの約束ゆえに、魔獣のためには歌えないバルドは
しかし、それは吟遊詩人としての攻撃ができないだけであって、バルドそのものの
戦いの
獰猛な魔獣をバルドはまっすぐに見やる。
バルドの背後では、やっとたどり着いた少女の
獲物を奪われたと憤る魔獣が少女の親の方に向かって
しかしその魔獣の
魔獣の凶爪が獲物に
剣についた
「もう、この街など願いさ……」
そのブレイブの言葉は、
「ありがとう!お兄ちゃんたち!!」
「どういたしまして。君に怪我がなくてよかった!」
元気いっぱいにお礼を言う少女と、その少女に
そんな彼らのもとに街の住人はやってきた。
わらわらと
「この村を助けてくださり、ありがとうございます。勇者様、そしてエルフの方、本当に……
そう言ったのはこの街を統括する人間だったが、彼だけでなく
中でも少女の親は、この場にいる誰よりも深く深く彼らに頭を下げていた。
魔獣が
この街の人間はもう誰も彼を虐げたりしない。
重い
この街に来た時とは
そんなブレイブの様子を
「勇者様……
「……なんですか?」
「エルフは魔王軍の
「ないですね。少なくともここらのエルフの方々は森に
「……そうですか。やはり、そうでしたか。なにぶんこの街は王都から少ししか離れていないとはいえ、知識の方ではだいぶ遅れております。それにここ
「そうですね。彼はこの街の住人に
少し離れた場所で街の子どもたちとじゃれるように
「街が、ここに
「もちろんです。勇者様、そしてバルド様には感謝してもしきれません。特にあの子の親は
「そうですか。よかったですね。私たちはもうすぐこの街を出ますから、彼にも伝えておきます」
「いいえ!勇者様、我らは感謝しておるのです。王都の知識を知らず、
こんなに素直にガラリと態度を変えられると、今度はこちらが少し疑ってしまいたくなる、とブレイブは思って
それでも彼らの言葉に
そしてブレイブの口から統括者の厚意を聞いたバルドは、ブレイブの想像の通りそれはそれは喜んだ。
統括者の口から、王都での常識やエルフの立場を聞いた街の人間たちは、
バルドの頭の上には、助けた少女から贈られた
眼の前に
バルドがたどり着いた最初の街は今、とても幸せに満ちていて、
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