最強(凶?)勇者と旅する吟遊詩人のバラッド
うめもも さくら
プロローグ 勇者ブレイブは吟遊詩人を愛している
この
この
勇者ブレイブはその神殿で
ブレイブは
「すみません。ここに
「勇者様、よく考えてくださいませ。
神官長を
取るに足らない
その上、吟遊詩人なんてマイナーな
まるで自身の考え全てが世界の常識で、自身の意見こそが正義だと言わんばかりに、ブレイブに言葉を
勇者の目を覚まさせてやろうと、
「
勇者の放ったその声は氷のように冷たく、この辺りの空気ごと
「私の大切な人を
ブレイブに問われている神官たちは、
優しげな
「あなた方、神官ですよね。神様にお
そう言ったブレイブは、にこやかな笑みを
「あなた方が
そう言い放った瞬間、ブレイブから
勇者ブレイブが剣を
彼の握るその剣は
その光を
その姿があまりにも美しさと
振り下ろされる剣から
感情の消えた勇者によって振り下ろされる
「ブレイブ!ここにいたんだ!」
勇者ブレイブの大切な人であるエルフの吟遊詩人バルドがたどり着いた。
状況を知らないバルドは明るい声でそう言うとにこやかな表情でブレイブに駆け寄る。
「えぇ、バルド。私はここにいますよ。あなたがいなくて寂しかった」
まるで夢か幻だったかのように一瞬で掲げられていたはずの剣は消えていた上に、思わず
「ふふふ、待たせてごめんね。やっと出る準備が終わったよ。さぁ、行こう」
「はい。行きましょう」
彼らは振り返ることなくその神殿をあとにする。
しかし神殿の扉が閉じる直前、ブレイブは目だけを神官たちに向けて見やった。
――優しく
とでも言わんばかりの瞳が扉の奥に消えた。
ブレイブとバルド、どちらからともなく手を取り、握りしめられ、
勇者と旅する吟遊詩人のバラッドが世界に響くかのように。
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