美しさと狂気が溶け合う、紅白の悪夢──耽美ホラーの傑作

紅く染まる彼岸花の丘に、白い衣の彼女が立っていた――
美しい情景から始まる物語は、やがて愛と執着の境界を越え、狂気へと落ちてゆく。
「永遠に貴女とともに」という甘い囁きの裏に潜む、恐ろしくも切ない真実。
詩的で耽美な文体が紡ぐのは、愛なのか呪いなのか。彼岸花の花言葉「想うはあなたひとり」が、やがて戦慄の意味を帯びていく展開が秀逸です。
美しい描写に酔いながら、気づけば背筋が凍る――
そんな叙情ホラーの醍醐味を短編で味わえます。

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