仄暗い美しさに潜む痛々しいほどの愛
- ★★★ Excellent!!!
初めてのユーザーレビューのため、所作が分かっておらずすみません。
この短編を読み終えたとき、胸の奥にひやりとした寒気と、同時に熱に浮かされたような昂ぶりが残りました。
言葉のひとつひとつが仄暗い美しさを帯び、哀しいほどに一途な想いが、静かに、しかし確かに心を揺さぶります。
その一途さは痛ましくもあり、同時に羨望すら覚えるほど純粋で、読後には思わず冒頭へと戻り、もう一度その光と影を確かめたくなりました。
短い物語の中に、これほどの余韻と熱を宿す筆致に、ただ感嘆いたします。