仄暗い美しさに潜む痛々しいほどの愛

初めてのユーザーレビューのため、所作が分かっておらずすみません。

この短編を読み終えたとき、胸の奥にひやりとした寒気と、同時に熱に浮かされたような昂ぶりが残りました。

言葉のひとつひとつが仄暗い美しさを帯び、哀しいほどに一途な想いが、静かに、しかし確かに心を揺さぶります。

その一途さは痛ましくもあり、同時に羨望すら覚えるほど純粋で、読後には思わず冒頭へと戻り、もう一度その光と影を確かめたくなりました。

短い物語の中に、これほどの余韻と熱を宿す筆致に、ただ感嘆いたします。