今日、初めてクリをむいた
残念ながらエッチな話ではない。
クリ、秋の味覚の栗のことである。m9(^Д^)プギャー!!
自分には、もうネット上でしか大人な情報が入ってこないだろう。
いつの日か、某腹いっぱいカレーを食べているシーンだけが有名になっている漫画の世界観のように(名作だからこんな駄文を読む前に漫画を読もう! 鬱の時はやめておけ)、仮想空間でエロイことが出来るし恋もできる時代になればワンチャンあるだろうが……イーロン! 期待してるぞ!
イーロン×Aniの同人誌も期待。
それはさておき。
栗というのは、あげたほうは良い気分になるのだろう。
というか、物をあげるという行為は気持ちいいものだ。相手が喜んでくれている場合に限るが。
父が病気して仕事が出来なくなって、色々趣味を見つけようと昔の友達を回っているのだが、田舎に行くと必ずと言っていいほど栗をもらってくる。
サツマイモの日もある。
自分はネギが好きだからネギをもらってきてほしいが、そんなことも言ってられないぐらいの頻度で貰ってくるのだ。
とりあえず、今日この日までは茹でて冷凍しておいた。
栗のタイムカプセルだ。少し喜んでいた。今日、開いたわけだ。
魔のクリ剥き地獄が。
栗は美味しい。栗は季節を感じられる。
栗の甘露煮(甘いからNG)、栗の炊き込みご飯(ありきたりすぎるが旨かった)
さらに、調べたら栗と人参、こんにゃく、しいたけ、鶏肉と煮込んだ栗と鶏肉のうま煮なるものもあるらしい。
旨いのだ。栗は。
あぁ、お高いモンブランなど、手作り出来たらどんなにいいだろう。
暇を持て余しているのだ、甘すぎない栗ペーストを作ってもよいかもしれない……そう甘いことを考えていた。
どの料理のサイトにも書いてある。
【栗は、まず鬼皮と渋皮を剥き……】
この一行だけのために! 何時間費やしたと思うんだ!!111
「包丁で、栗の下のほうをぺりっとやります」
簡単に言いやがる!!!
そりゃあそうだろう。
ようつべの料理動画をあげている方々はみんな毎年幼いころから栗を剝いていて、自身に自信があるから動画投稿できるのだ。
こちとら、包丁でかぼちゃを切るのも、レンチンしてから切ってるへたれだ。
トマトも薄く切れやしない!
それはさておき、鬼皮はまだよかった。
というか、全然良くなかったけども、無事に終わった後は達成感があった。
ぺりっとはがすのも存外楽しかったし。
「あとは~この汚い茶色い栗をたわしかなんかでさ~洗えばいいんだろ~」
そう、ここからが地獄の始まりであった。
ムドー第一形態を倒したようなものだったのだ。
たわし作戦、試みる。
剥けない、というかぼろぼろに崩れていく。(茹でて冷凍しといた栗である)(残当)
あきらめずに銀のスチールたわし、出動。
勢いあまって指の皮がこそげ落ちる。
痛い。(グロくてすまそん)
どうしよう、両親は夜になるまで帰らない。
今日は栗ご飯だよと言ってしまった。
汚名返上どころか、汚名を挽回してしまう(800敗)
名誉を挽回するには、何かしらの手段でこの薄すぎる皮を取り除かなければならないのだ。
楊枝を使って一つ一つ剥いていく。
これが辛い。本当につらい。
よくテレビで立ったまま作業をしている方々がいるが、頭が上がらない。
自分は椅子に座ったまま音楽を聴いていても、5分ごとに飽きて両親と姉に送った泣き言への返信が来ていないか確認する始末である。
楊枝はすぐしなしなになってもったいないので、中盤で竹串に切り替えた。
栗は調子に乗って500gも鬼皮を剥いた。
頭おかしい自分を殴りたい。
理由は一応あって、4合ぐらい炊き込みご飯を作るつもりだったのだ。
もう精神が崩壊しそうだった。
厭だ、思い出したくない。
栗が残り15個ぐらいで猫を吸いに行って、姉に泣き言を言った。
そしてぐったり風呂に入った。
ニートとは、栗も剥けないものなのだ。
何より、悲しかったのが、いや愚かだったのが、せっかく剥いた栗をそのままにしてしまい、米も洗わずに両親の帰りを待ってしまったことだ。
「期待してなかったから、大丈夫。お風呂洗ってくれてありがと」
ちゃちゃっと母は栗の炊き込みご飯を作ってくれた。
【ただ、あなたの、優しさが~♪ いたか~あった~♪】
冷凍庫に眠る栗は、希望と喜びの結晶ではなく、絶望と苦痛の残穢となった。
冷凍庫圧迫しまくってる……
パパス……栗はもう貰ってこないでって言っても、貰ってくるんだよね……
断れないよね……知ってる……
皆も善意の栗配りおじさんには気を付けよう!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます