シミラープロダクト
ネロ
第1話 僕のこと
2025年。世の中ではデザイナーおじさんと揶揄されるあるジャンルが蔓延っている。
デザインを職とするような"おじさん"はみんな同じ見た目になるという。かくゆう「僕」もその中の1人なのだが。ー
僕は都内デザイン事務所に勤務する36歳。男性。年収はそこそこ、といってもいいだろう。趣味はサウナ。仕事の一環でもあるが週末に開催されるDJイベントで意見交換することもまあ趣味みたいなものだ。この年齢になると体型も昔のように...ともいかないし。楽なものがいい。質の良いTシャツとシャツ。無難な綿パンにスニーカー。機能性の高いアウターとメガネ。これで良いのだ。
僕が目立つより、僕のプロダクトが目立った方が良い。シンプルに、周りに溶け込めればそれでいいのだ。
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目を覚ましてまず、PCを立ち上げ今日のタスクを確認する。今日は会議があるのでリモートではなく、自転車で10分の所にある池尻大橋の事務所へ出社する予定だ。
コーヒーを入れ読書をする。BGMはハウスミュージック。これは最近のDJイベントで知り合ったケンに教えてもらったアルバムだ。
ビジネス書や自己啓発本は人気のあるものを片っ端から読むようにしている。
"仕事のできる人間は朝が早い"と言うのを読んでから、僕は早起きをするようになった。少し早く起きるだけで朝の1時間がこれほどまでに充実するとは。
さて、そろそろ支度をして出る時間だ。
新型のiPhoneにApple Watch。それからMac book 。これがしっかり入るサイズの高機能リュックに入れる。質の高さに定評がある、プロダクトチームのTシャツとシャツにパンツ、無地のソックスにグレーのNBのスニーカー。多少の雨ならなんてことない高機能の撥水ジャケットを羽織り、タイヤの太い自転車にまたがる。これが僕の通勤スタイルだ。
いつも通りでなんてことない毎日。出社すると同じようなスタイルで通勤する同僚たち。
それが今日はなんだか違かった。
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