第2話『生姜焼き』

「きょうのおひるご飯は生姜焼きだ」

「生姜焼き」

「さて、さっそく……、って思ってたのに、生姜チューブが切れちゃってる」

「どうするの?」

「うーん、うーん」

「困ったね」

「ようし!かくなるうえは、しようがないので……」

「えっ!生姜がないからしようがないの?あーっはっはっは!!」

「わっ!びっくり」

「あはははは、ツボった~、あはは」

「……なにさなにさ!よくわかんないけど、せっかく生姜焼きつくろうとしてたのに、げらげら大笑いして!僕が困ってるのが、そんなに面白いの?!」

「あはははは、うひひひひ、あはは、げほっ」

「だ、だいじょうぶ?」

「あはははははははは」

「どうしよう……、笑いの発作がおきちゃった。このまま、呼吸困難で死んじゃうかもしれない。ともだちの一大ピンチだ」

「あはははは、ごめんごめん、ちょうどよかった、ぼくは生姜湯を毎日飲むから、生姜をしょっちゅう買ってるんだ。今日も、ほら、ひとかけあげる」

「ど、どうも」

「あはははははは」

「だいじょうぶ?」

「大丈夫、大丈夫、ふう」

「へいきそうだね、じゃあ、生姜焼きつくるね、ひとかけありがとうね、生姜……」

「うん、じゃあ、ぼくは、ジャスミン茶淹れるよ」

「ありがとう……」

「うひひひひ」

「だめだこりゃ」

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