第2話 帰り道

 わたしの家から小学校までは、徒歩で三十分。

 毎日、朝と夕方歩き続けてる。


 でも今日の下校は、なんだかめんどくさい。

 歩くのが嫌になっちゃった。

 でも、歩かないと帰れないし……


 他の女子は、部活に入っているからまだ帰らない。

 入ってない子もいるんだけど、方向が違う。

 だから一人で帰る。


 つまらない、なかなか家につかない。

 まだ、みっちゃんの家の前。

 みっちゃんの家は、学校とわたしの家のちょうど真ん中にある。


 できるだけ早歩きしてみようか?

 うん、やってみよう。

 足を頑張って動かせばいいんだもん。

 あ、景色が速く動く。

 うん、いい調子。

 集会所を過ぎて、坂の上の花壇の前を通って、下り坂。

 あのカーブを過ぎれば、わたしの家が見える。

 ラストスパート、頑張るぞ!!


 でもその時、首根っこを掴まれてグイッと後ろに引っ張られた。

 

 景色がぐるぐるして、音がグワングワンする。

 だんだん治まってきた。

 周りが見えるようになった。


 ……わたしは、みっちゃんの家の前を歩いていた。

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