第36話 昼休みは私と一緒?

 朝、ロッカールームであの気持ち悪い動画を見終わった後。


 少しの間だが、今後の事について話し合った。


 なんでも、春風先輩対策として、ヒロインズの皆が代わる代わる、俺と行動を共にするらしい。


 それも臨機応変に適切な人材を投入して、守り抜くとかよく分からん事言っていたな。


 つまりどういうこっちゃねん!


《お昼休み 理科準備室》


「それで俺を守護する最初のトップバッターは、有栖川なのか」


「そうよ。光栄に思いなさい! 秋崎! このパーフェクトウォーリアーの結女様が、アンタを守ってあげるわ」


「パーフェクトウォーリアーって……有栖川の胸じゃあ、無理があるだろう。どう見ても有栖川の胸はDカッ……がばぁ?!」


「だ、黙りなさい。このハレンチ! 私は今、Eカップよ」


「……何だと? Eカップ?……そんな可愛い顔でEカッ……がばぁ?!」


「だから。黙りなさい。可愛いって褒めてくれたのは、素直に褒めてあげるわ」


 ……有栖川の奴。2回もペチペチペチペチしてきやがった。


「そうか。褒めてくれるのか。ありがとう」


「……秋崎は私のおっぱい触りたいの?」


 有栖川は両手で自慢のEカップを持ち上げなげながら、恥ずかしそうに俺に聞いてくる。


「アホ……俺は、あの変態太一じゃないんだぞ。揉むなら俺が、有栖川と恋人になって仲良くなってきからで良い……あ……」


 俺は何をくちばしってんだ? 失言だ。とてつもない失言をしてしまったぞ。


 このままじゃあ、有栖川にまたペチペチペチペチされてしまう。謝らなくては……


「す、済まん。有栖川、失言だった忘れてく……ん?!」


 俺が謝ろうと有栖川の方へと振り向くと、有栖川は俺の膝へと脚を広げて乗り上げ。両腕を俺の首元へと回してきた。


「秋崎は……私と付き合いたいの?……私のおっぱいとかいっぱい揉みたくて仕方ない?」


 顔を赤らめて恥ずかしそうに聞いてくる、有栖川。


「……有栖川……俺……」


「……うん……秋崎、良いよ。その続きを言って……」


 な、何だこの良い雰囲気は?……いや。分かっていた。


 俺は多分、有栖川の事が……だがその気持ちはまだ曖昧で、本当の気持ちはなのか自分の中で確かな答えが出せていない気持ちだ。


「有栖川……」

「うん……秋崎……」


 俺は有栖川の可愛いさに負けて、彼女の唇へと自分の唇を近付けると―――


ピンポンパンポーン~!


〖生徒会役員の有栖川さん。至急、生徒会にお越し下さい。繰り返します。生徒会役員の有栖川さん。至急、生徒会にお越し下さい……プツンッ!〗


ピンポンパンポーン~!


「「………」」


 突然の有栖川呼び出しの放送に固まる俺達。


「何なのよ! もう!! せっかく良い雰囲気だったのに! もう!」

「………呼び出されたんだから仕方ないだろう………続き……放課後な。久しぶりにカラオケ行こう。結女」

「へぁ///……秋崎。今、私の事、結女って言った?……じゃあ、私も今度から……」

「ああ、疾風って呼んでくれよ。結女」

「う、うん。えへへ/// なんだか嬉しいわ。疾風~!」


 ……こうして俺達はお互いを下の名前で呼び会う様になったんだ。



《理科室》


「………ほ~う! 放課後はカラオケですか。ならその前に拉致させてもらうよ。ハヤテっち!ニシシ!!」



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