今日もまた夢列車
46クマ
乗車
私は気づけば知らない駅の知らないホームに居た。
別に見覚えが無いわけではないのだ。ただ直接見た事は無くこの駅の所在地も駅名も何も知らない。
私が知っていることといえばしばらくすると列車が来て私はそれに乗り込むことくらいだろう。
何度か抵抗を試みたことはあるがこの行動は変えることができなかった。どんなに抵抗しようと思っても体は動いてくれない。予定調和──そんな言葉が浮かぶ。結局、私の体はそれに従うだけだった。
周囲には見渡す限りのツル植物。別に私は植物について詳しくないから名前までは知らない。ただこんなに鬱蒼とのツルが茂っているのに不気味じゃないのはおそらくきちんと日が差しているからなのだろう。
そんなことを思っていると列車がホームにやって来た。その速度は段々とゆっくりとなって完全に停止した。聞き慣れたドアエンジンの空気を送る音が耳に入る。そちらを見ると列車のドアが開いていた。
予想通り私の体は勝手に動きドアへと吸い込まれるように入っていった。
あぁ───またこの夢だ。
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