第24話 試し撃ち

「ミカ達はこっちで暮らしたいのか?帰る場所がないのか?」


ぐっ……


「そうか、なら好きにしたらいい俺はどちらでも構わない」


 余程悔しいのかミカは顔を顰めボソボソと話し出した。


「ウチらの親は奴等の口車に乗って調子こいて借金漬けになったんだ。初めからウチらは目を付けられていたんだと後から知ったよ」


「お前達、アイドル並みに可愛いもんな」


えっ?何驚いているんだよ。


「極悪興行に住込みで働いている事になっていたんだ。私らは親に売られたんだよ!」


「そっか、でも極悪興行はもう無いぞ!

動ける奴もいないし金庫の中の契約書とか金とかも全て持ち出したけど」


何かに使えるか後で聞いてみよう。


「他に帰る所が無い人はいるのかな、はい!挙手ね」


あらまあ、半分か。


「あの、実際帰ってみなければ分からないのですが……」


だよねー。


☆☆


「取り敢えず、ここでも自分の身を守れるようにしないとね。レベルはどうしょうか?

100、200かな」


「200でしたら勇者と同じですよロウ様」


「あ、なんかそれだけでもムカつくわ!

じゃ1000では?」


「旅の途中でドラゴンに襲われたら一人ではやられてしまうよ」


「えっ!そんなにドラゴンっているの!」


皆の顔が恐怖で引き攣っていた。


うむ、クリスの言う通りだ。


「じゃ、5000でいいんじゃね」


過保護だとミカは思った。


 奥さん達以外の人をレベル5000にしてあげた。コレで彼女達の安全性はかなり上がったと思う。何故レベル無限にしなかったって、もし何かのはずみで敵対したら俺の家族が危険に晒されるからだ。当然の処置だと俺は思う。




「おし、これで貴方達はレベル5000になりました。魔法もスキルもレベル範囲で使い放題ですよ」


「あの、矢島様……」


 こりゃまた、麗しき女性がおずおずと手を挙げ俺を見ている。


「ん、なにかな?」


「年齢がそのままなんですけど……」


 あ、忘れていたわ!その為に次元を渡ったのに。彼女達の生きる希望だろ!


「あー、希望はありますか?無ければ一律二十歳にしますけどよろしいですか」


「「はい!お願いします」」


「はい!二十歳になりました」


へっ?もう!


「里子身体が一回り引き締まって肌もモチモチで気持ちいいわ〜!」

「久美子のオッパイも吊り上がったよ」

「あん!ダメよ君子」

「感度も良いみたい」


 君子さんは後ろから里子さんの胸を鷲掴みにした。本当に張りがあるオッパイになったようだ。


「ユイナさんはそんなに変わらないのね」


「違うわアズサちゃん手の皺が無くなっているし、身体も軽いのよ」


「元からユイナさん若いもんね」




「お兄ちゃん!お兄ちゃん!身体動かしたい!魔法をぶちかましたいー!」


「アズサお前な!」


「ロウ様一通りやっておいた方がいざと言う時、身体が動けると危険度も下がると思います」


「そうだよなこの辺でそんな場所ある?」


「北の山の向こうは何処の領地でも無いからそこが良いと思うわ」


「よしそこへ行こう!クリス頼む」


「任されたりー!トゥ!」


お約束だ皆んなでジャンプをする。


☆☆


「おー!良い所だな」

「風光明媚ですあなた」

「へっ?」


「どうしたのですか?あなた」

「腕に胸が当たっているんですけど」

「夫婦ですもの当たり前ではありませんか

あなた、わたくしの胸に触れてくれませんか」


君子さんのオッパイに……


 俺はそうっと大きな左胸に手を触れると出ました。貞操結界が俺には無意味だけどね。


「これは……」


「そう言う事でごさいます」


ニヤッと微笑む君子さんは妖艶だった。


 久美子さんも里子さんも俺にピッタリと寄り添って来た。


「君達は男に不信感や恐怖心があるんでないの?」


「有りますけど、矢島さんいや旦那様は違います。私達の為チンコを切り取られるのを覚悟の上、禊ぎをして頂きました」


 いや、それはそうだけど勘違いだとは言えなかった。俺は狡い男なのか?




「よぉーし行くぞ!ウィンドカッター!」


 グルングルン腕を振り回し大木目掛けて腕を伸ばすと大声でアズサは唱えた。


「ぷっ、アズサはまだまだお子ちゃまね」


ミカは呆れユイナさんは暖かい眼差しを送ってる。


ズッザーーン!ドッザーーン!


 メキメキと音を立てて何本のも大木が一瞬で倒れ森の奥まで見通しが良くなった。


「うっひょーー!!私は最強ーー!!」


「「「えっ?」」」


皆んな、この光景を見て唖然としていた。



「アズサ〜!ファイヤボールは駄目だぞ!

辺り一体火の海になるからな!」


「分かった!お兄ちゃん」


 アズサは自慢げに胸を張っていた。

これは、フリなのだろうか、俺を誘っているのだろうか、考えてしまった。




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