第22話 君子の呪い
「奥の部屋から始めよう、そこで今後の方針を決めようではないか」
「そうだね」
「クズばかりだから遠慮なくぶっ飛ばせるね。殺しても良いんでしょう」
「まあ、三人も殺しているからね後で纏めて処分しますよ。それ!」
バコーン!
いきなりドアを蹴り飛ばすロウ。ドアに嵌められたガラスが飛び散る。
「お邪魔しま〜す!ありゃ?」
中に居た十人ほどの男達は白目を剥いていた。
「ロウ様、これはきっと、君子達の呪いを受けた者達ですよ」
ほう興味深い、一人の男を火ダルマにして服だけを燃やし尽くした。
うへーご都合主義だね。キレイに焼けているわ服だけ。
「うわー!全身酷くてザマァですね」
顔も傷だらけ?受付のお姉さん達は化粧で隠していたんだ。だから治した後で違う人かと思ったんだ元はめっちゃ美人なんだね。
俺の奥さんには劣るけど人間としたら上位クラスか、だからクズどもに狙われたんだ。
「ロウ、此処の壁可笑しいわ」
「なら、ぶち破れば」
「ふん!」
ドゴッ!ガサッと壁が崩れる。
「当たりだここ、武器庫だ。オリビア武器を掻き集めれば帝国に対抗出来るぞ」
「分かった。片っ端から収納しておく」
「刀があったら後で俺に頂戴ね」
ニコッと頷くオリビアに少し膨らんでしまった。
社長室か、鍵の掛かったドアノブを捻り切り中に入ると誰もいない。
隣の部屋から呻き声が聞こえる。
「おーい、ここがボス部屋だ」
鍵を無視して中に入るとそこはヤリ部屋だった。
「ラブホかよ!」
「ロウ、ラブホって何?」
「え、ヤリ部屋を貸す宿かな?」
「へ〜素敵な所ね後で連れて行って」
「終わってからな」
「約束だよ破ったスパーンだよ」
「ひぃ!破りません……」
部屋には禿げ上がったオヤジと刈り上げた白髪頭のオヤジがいた。
「コイツがボスか」
ベッドの隅に全裸の女性たちが固まって震えている。
ベッドの上に色々なオモチャが転がっていて、血の付いたものもあった。
「う〜ん、どうしようかな〜」
「ロウ様、君子達にやったように、女性には乱暴を働いた者達に呪いを、男共にはソイツの配下と利益を共有したり忖度した者達に呪いを掛けてやれば、網目から逃れ落ちる者も居なくなると思います」
「そうだね、コイツのように呪いの重ね掛けも面白そうだ。
それで行こう!後お宝も忘れずにね」
俺はボスの頭に手を置こうとしたが汚そうなので奥さん達に薄いゴム手を渡した。
「左手に履いて男の頭に触れて下さい。
右手はそのまま女性に触れてね」
「分かったロウ任せて」
「んじゃ頼みます」
俺は改めてボスのオヤジの頭に触れた。
コイツの直々の子分、共犯者、利益の共有者、忖度している者に呪いを掛ける。
横にいる禿げオヤジにも呪いだ。
「安心しろお前らは、病気では死なせん。寿命まで呪いで苦しんで貰わないといけないからな」
奥様達も終わったようだ。オヤジ共の尻から血が流れている上手く行ったようだ。
「さてと、お宝は……あった」
ベルベットを貼り付けた壁の一部に反応があった。中身を全て収納する。
金と違法な契約書か使い道がありそうだ。
女性をキレイな身体に戻して、ユイナさんの所に送ってあげた。
クソッ!貞操結界が無ければハーレム真っしぐらなのに……でもオリビアやクリス、マリアはめっちゃ大好きだぜ!
「次行きましょう!」
もう、一人で行動しています。流れて作業のように男共の頭を探り呪いを掛けて回る。偶に女性を救出して身体を治し呪いを返していく。
まあ、この呪いは傷が塞がってもキレイには治らないし、受けた傷の痛みは死ぬ迄消える事が無いのだ。
「まさにザ呪い!だね俺も気を付けよう」
その時俺のスマホが鳴った。
ピリリリリ、ピリリリリ、
「はい、アズサか?どうした?」
『助けて出された人が、多くて部屋が窮屈になっているんだよ』
「そうか部屋から出ても問題ないぞ、輩は呪いの激痛で動けないから心配ない。
一番奥の部屋が広いからそこに行けばいい
入り口ドアのガラスが割れているから気をつけてな。ゴミは隅に固めておけばいいだろう。何か良いものがあったら貰っておきなさい」
『ん、分かったお兄ちゃんまだ掛かるの』
「んにゃ、もう終わる。切るぞ」
プチ、ツーーーーーー!
「やっと一階ロビーだよ」
「ロウ、地下も終わらせたよ、武器が少しかな洗濯したシーツやタオル、衣服など収納しておいた」
「サンキュー!クリス」
「あれ、チンピラ君じゃないですか?
凄い辛そうですね」
あ、あ、あっー
「それ、因果応報ね意味は分かるよね寿命で死ぬ迄消えないから頑張って」
チンピラ君は話せないが涙を流してたから耳は聞こえるようだ。
「おーし!皆んなの元へ戻るぞ!」
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