第9話  帝都再び

「フッハハハハ!帝都よ私は再び帰って来たのだ!」


「ロウ様、道の真ん中で叫ぶのやめて下さい!

恥ずかしいです」


「えっ?ああ御免なさい」




コレより少し前。


「姉ちゃん、女王が国を離れてもいいの」


「大丈夫じゃ!ガストーはああ見えて中々の切れ者、余の代わりなど問題ない!それに、何か起これば直ぐに分かるように仕掛けを施しておる」


「ロウがくすねた魔導具の中に良いのがあったんだね」


「そんなもんじゃ」




「帝都に着いたら、冒険者の防具と武器を調達しましょう」


「は〜いクリス!俺、魔法剣士がいい」


「良いんじゃないロウなら似合うわ」


「ありがとうクリス愛しているよ」


「ロウ……」

「クリス……」


「コッホン!余は魔法使いじゃ!」


オリビアが咳払いをし二人の邪魔をする。


「そのまんまね、姉ちゃん」


 見た目は姉妹なんだよな、300歳も離れてたら殆どご先祖様じゃねえか?

!?、オリビアに睨まれた!


「はい!はい!私は猫獣人の双剣使いよ見て!可愛いでしょう!」


 黒髪のボブヘアに頭の上に黒いケモ耳がピクピクしてとてもチャーミングだ。ゆらめく黒い尻尾も素敵だ。クリス!


「ロア様、わたくしは僧侶になります。

そして、人々を正しい方へ導くのです!」


「おー!マリアに最適だー!拳で説法を説いて回るのだろう」


「なんで拳よ!」


 真っ赤になって憤慨するマリアさんも素敵だった!


「マリアお主にピッタリだ」


「オリビア様まで!」




「オリビア手紙は書いたのか?」


 まったりと俺たちはお茶しながらスナック菓子を啄んでいる皆の手も止まらない。


「ああ、既に書き終え、そこのテーブルの上においてあるぞ」


「へ〜流石オリビアだ!俺なんて書き出すまで一時間以上は掛かるわ!」


「だから更新が遅れるのよ」


「そんじゃベッドを収納して出発だー!」


☆☆


ウワッハハハハハ!


「完全に有頂天ね」


「姫様!アソコに菓子店なる物があります是非寄りましょう!」


「クリス余も喉が渇いたのぞ」


「分かりました。ロウ行くわよ」


「は〜い」




「この焼き菓子美味しいですわね」


「でもね、ロウが持って来たケーキと比べるとね……」


「あー分かりますアレは別格ですもの」


「なんじゃそれは?」




「えー!お前達だけずっこいぞー!」


「用事が済んだら買って来ますから、大声を出さないで下さいよ、皆んなが見てますよ」


 えっ!それは違う!何故俺は今まで気がつかなかったのだ!この場だけが異常に浮いているのだ。コイツによって……


 マリアはメイド服それは良い、クリスは高貴な貴族令嬢のようなドレス姿だ。変身は解いているこれもまあ、良いだろ。


 問題はオリビアお前だ!


 まさしく、一国の女王陛下が、お召しになるドレスに各種宝飾、極め付けにアップした頭に、ティアラが輝いてる。そして絶世の美女でデカ乳エロフじゃんか!


 昨日この世界に召喚されてから、アレやコレや物凄い濃い体験ばかりして、俺の感覚がバグってしまったのか!


元の小市民の俺は何処に行ったんだー!





「皆さん、食べたらすぐに出ますよ」


「なんじゃ、もう少しゆっくりしても良かろう」


「奥様達、周りの人とご自身の姿を見比べて下さい。分かりますね」


「えっ?ああー!直ぐに出ましょう」


クリスが気づいてくれて助かった。


「あれ?オリビアさんクリスさん貴方方は歩いていませんね。ドレスの裾が邪魔だからと浮いて移動していますよね」


「だって裾を持ち上げて歩くのめんどいんだもの」


「そうじゃぞロウよ魔力が余ってるのだから使わないと勿体無いだろう」


あなた、女王陛下ですよ。


「まあ見た目分かりませんから、いいんですけど」


マリアがスゥーッと俺に近づいて来た。


「ロウ様、こう見えて私も公爵家令嬢なんですよ」


「なんと誠なのかマリア!コレまでの数々の無礼是非寛大な御心で恩赦願います。

靴も舐めます!色んなところも舐めますのでお許しください!」


「それは、ロウ様の性癖ではありませんか」


「そうでしょうか?あ、少し膨らんだようですマリア様」




「この先に冒険者御用達の店舗があるそうです。見えて来ましたね」


「結構大きな所ですね期待出来そうです」




「失礼する」


 俺達が中に入ると主人のような男が出迎えた。がオリビアを一目見て固まってしまったようだ。


「俺達四人の冒険者装備一式が欲しいのだが用意してくれないか」


「はっ!か、かしこまりました」


「防具は皮の胸当てだけで結構だ、宜しく頼む」


「お任せ下さい」


「後、彼女達に触れると指先が無くなるからな!コレは忠告ではない警告だ!」


「は、はい!決してそのような事は致しません!」


「頼むぞ」


 これだけ、脅せは不幸な事故も起こらない筈だろう。


「オリビア、フッティングルームに入って今着ている物を収納するんだ」


「えっ!ロウよココでやるのか!」


「する訳ないだろ!するならベッドの上だ!

ん?ちょっと待て」


 俺はフッティングルームの中をマジマジと見ると、やっぱりあったわ覗き穴が。


 黒い結界を張り見てなくしてやったぜ。

ザマァ!


「よし、いいぞ」


「ああ、ロウすまんな」


「当たり前だろう俺の奥さんだからな」


「そうだな我はロウの妻だ」


オリビアの顔が少し赤くなった。


 うへっ、オリビアがデレるとくる物があるってか、この世界ブラが無いのか?あの二人もしていなかったし、後で買いに行かないとな。


「姉ちゃん良い物があったよ!これ着てみ」


 厚手のロンTシャツにスリムなズボン、共にベージュ色で中々似合ってる。


 女性用の大きなサイズの皮の胸当てを装備してやると、なんと言う事でしょう!

見ただけで名のある冒険者に見えるではないか!


「次!クリス!」


「あ、はい!」


 一人が決まると後は早い、あっと言う間に完了してマリアも終わった。


「おー、いいんじゃね。流石何着ても似合うよな俺の奥さん達は」


「ロウの番だよ裸になってよ!」

「ん?どうしたのじゃ余を見て我慢出来ないのか?」


「それは……その通りですございます!」


「ロウ様、宿に入るまで我慢して下さい」


「はいですマリア様」


あっと言う間に終わってしまった。


「オリビア様このローブをお召し上がり下さい」


 マリアは白いローブをオリビアに着せるとニコニコしている。ローブの袖口や裾に金糸の刺繍がほどかされ、中々豪華に見える。


「そうだ!皆んなでお揃いにしましょう」


「それは良いわね、冒険者パーティみたい」


「決まりだな」


 俺も同じのを着せられた……黒の方がいいのに……


 足元をブーツで固め予備に服などを、もう1セット購入する。


 次は武器だ。各自好きな獲物を物色している。クリスは早速見つけたようだ。


 少しソリの入った短剣の握り具合を確かめている。


 俺は僧侶設定のマリアに指抜きグローブを勧めてあげる。


「マリアこのグローブは優れものだよ!

ほら拳のところに鉄板が入ってるんだ。

君にピッタリだ!」


「えっ……ありがとうございますロウ……」


オリビアはコレかな?

武骨で頑丈そうな杖を持たせる。


 オリビアの胸の辺りに届く長さで、頭の所が少し太くて殴ると威力がありそうだ。


「この杖だったら好きなだけ、相手をボコれるよオリビア」


「……かたじけないのじゃロウよ……」


俺は普通の直剣にした。


 本当は日本刀が欲しかったんだけど、ここじゃ手に入らないし?


 あれ?本場日本で手に入れたら良いんじゃね。頑丈な刃を潰した刀でも魔力を纏ったら……やべぇじゃない!


 どうせ、皆んなの下着を買いに行くしそのついでさ!下着のついでに刀なんて……


 俺のドスの鞘の制作を依頼する。


 帯剣ベルトと、あると便利な大型ナイフ

革製の小振りなバッグ、ベルトに通して使えるのだ各種ポーションを購入して買い物を終えた。


 金貨で支払ったが価値が分からないので高いのか安いのか後でマリアに聞いてみよう、多分オリビアは勿論の事クリスも分からないだろ。マリアは公爵家令嬢で王族の血を持っているけど他の二人よりか世間に詳しそうだ。


装備も揃えた!冒険者ギルドへ行こうぜ!





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る